ハノイ観光記

1日目   2日目   3日目   4日目   5日目  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2日目 : 2019/12/13 (金)

[ハロン湾クルーズ1日目]

 

 

 本格的なハノイ滞在1日目となる今日は、ハノイを全く満喫することなく、いきなりハロン湾クルーズへ出かけるスケジュール。9時過ぎにピックアップの車がホテルの前まで来るというので、7時頃に起きて朝食へ。せっかく窓付きの部屋にアップグレードしてくれたので、昨日は全く見れなかった窓からの景色を見てみたら、なんてことない風景の中、うっすら向こうの方にホアンキエム湖が見えたり、なんかベトナムっぽい建物が近くにあったりして、ベトナム感がじわじわ。

 

屋根付きの塔は水上人形劇の劇場。

 

 朝食はホテル7階のレストランでビュッフェ(もちろん宿泊プランに含まれてる)。レストランというほど広い空間ではないが、ヨーロッパのちゃんとした小さなホテルですよーと言われても納得するようなオシャレな内装で、窓の外の風景は東南アジアっぽいのに、中は西洋のホテル感漂うギャップが面白い。そしてサービスはしっかりしてるし、味も美味しくて気分が上がります。サラダや中華風料理のビュッフェのみならず、ベトナム名物のフォーも選んでオーダーできる嬉しさ。

 

従業員がアジア人でなければベトナムにいることを全く感じさせない空間。

 

サラダビュッフェは完全にヨーロピアン。

 

追加でオーダーしたフォー(無料)。チキンかビーフか選べます。

 

ベトナム名物の一品を日替わりで出してくれるというサービスまで。

 

 

 朝食を食べ終わったら、荷物をパッキングし直してチェックアウト。ハロン湾クルーズが1泊2日なので、一旦このホテルとはお別れなのである。ロビーでピックアップの車を待ってる間、ハノイの雰囲気を味わおうと思ってホテルの外にちょっと出てみたら、人っ子一人いなくて真っ暗だった昨夜遅くと全然違って、次々とバイクが目の前を走っていったり、アメ横みたいな店がいっぱい並んでたりと、活気と勢い溢れる通りでビックリ。そして街歩きが楽しそう。

 

いかにも東南アジアの街という雰囲気に心躍ります。

 

 ピックアップの車は時間通りにやって来て、いざハロン湾クルーズへ。ベトナムのツアーなので、どんな車が来るのか何となく不安だったのだが、これがなかなか中がコンフォタブルなミニバンで、座り心地はいいし、一人当たりのスペースも広いし、エアコン完備だし、これなら数時間乗ってても全然平気。今回のツアーはホテル宿泊とのパッケージなのだが、ホテル側も自分達の評判が落ちないよう、ちゃんとしたツアーを選んでパッケージにしてる感じだ。

 

 ミニバンでホテルを出ると、すぐに大通りに合流したのだが、これまたバイクの数がすごい。昨夜、空港からホテルまでの道中でもバイクの数と運転の粗さに驚いたが、そんなの比にならないくらい、ひたすらバイク、バイク、バイク。朝の9時くらいだったので通勤のバイクが多い時間帯なのかもしれないが、いつ事故が起こっても不思議じゃなくらいの数と運転で、見てるこっちがヒヤヒヤである。

 

 そんなヒヤヒヤも、しばらく走って高速道路に入ると落ち着いてきて、ハノイの街から遠ざかるにつれて無秩序に走るバイクの姿はさすがに少なくなっていく。途中のパーキングエリア休憩を挟んで、2時間半ほどでクルーズ船が出港する港に到着。

 

港に着くと、それまで曇りがちだった天気がここぞとばかりに晴れてきて嬉しい。

 

 港に着いたら待合室みたいなところに入って、自分たちのクルーズツアーの名前が呼ばれるまで待っててねとのこと。ちょっと早く着き過ぎたのか、それともそういう予定なのか分からないが、なかなか呼ばれず。その間に3つくらいの団体客が新たに入っては呼ばれて出ていったのだけど、ヒスパニック系の団体やらインド人の団体やらで、国際色豊かな空間であった。ハロン湾、世界的に人気なのね。

 

待合室の風景。暖かいのですぐ忘れがちだが、もうすぐクリスマス。

ハロン湾の白黒写真とクリスマスツリーのミスマッチ。

 

 結局45分くらい待ち、ようやく呼ばれて出発。ここでツアー参加者の全員が揃ってるかを確認するために、ツアコンの人が点呼代わりに全員の名前を呼んでいく。どうやら参加者は30人くらいで、東南アジアやヨーロッパなど、様々な地域の人が集まってるっぽい。陽気で人のいい兄ちゃんという感じのツアコンさんに率いられてtender(小型の連絡船ボート)に乗り込み、沖に停泊しているクルーズ船、オーキッド1へいざ出発。

 

このボートに乗ってクルーズ船へ。

 

横転したまま放置されたボートがゴミと化してるあたり、若干不安は残るが、

 

全員ライフジャケットを着けてねと言われるあたりはちょっと安心。

 

 tenderに乗って15分ほどでクルーズ船が停泊しているあたりに到着したのだが、クルーズ船に近づくと、クルーの人達が並んで手を振りながら出迎えてくれていた。そんなサービスあるなんて思ってもいなかったので、ちょっとテンション上がるじゃないの。なんか楽しくなりそうじゃないの。

 

 船の中はちょっとしたホテルと同じ感じで、設備は綺麗だし、スパとかあるし、サーブの人も笑顔で丁寧そうで、これなら船上で1泊しても快適に過ごせそうな雰囲気だ。まずはレストランホールに入ってランチビュッフェなのだが、このビュッフェも美味しくて、特に春巻きのパクチーソースが絶品であった。

 

期待以上にちゃんとしたレストランホール。

 

ビュッフェはどの料理も美味でした。

 

 ランチを食べ終わったら、それぞれ泊まる部屋へ。これがまた広くて清潔感ある感じで、ベッドは大きいし、バスタブもついてるし、この値段のツアーでこんな部屋に泊まれるの!? という驚き。しかも、今回はデフォルトのツアー料金にちょっとプラスして(ちょっただけ)テラス付きの部屋にしてもらっているのだが、テラスは船の最後尾にあるので(つまり部屋自体が船の一番後ろにある)、テラスに出ると船の後方の景色がほぼ180度見渡せるという、贅沢なビューなのだ。なにこれ。めっちゃハロン湾っぽい景色を堪能し続けられるんですけど。

 

青空の下、海に浮かぶ奇岩たちにウットリ。

 

大きさも形も個性ある岩が次々現れる。

 

同じ岩でも見る方向によって顔つきが全然変わってくるのも面白い。

 

龍が口から吐き出した宝石が奇岩になったという伝説が生まれたのも頷ける形状の岩。

 

奇岩の向こうにはまだまだ奇岩が。

 

船が少し進むだけで、同じ奇岩たちが違う表情を見せてくれます。

 

いやー、全然飽きません。

 

現地の人達が生活しているっぽい小舟。絵になる。

 

 

 奇岩に次ぐ奇岩に一通りハシャいだ後は、鍾乳洞見学ツアーへ。ハロン湾内の島々には鍾乳洞が数多くあって、どうやら鍾乳洞観光はハロン湾観光の目玉の一つらしい。まずは再びtenderに乗り込んでダウゴー島という奇岩島へ行き、バスに乗ること15分ほどでティエンクン鍾乳洞に到着。

 

鍾乳洞前のゲートで色々と説明してくれるガイドさん。

 

目の前にそびえ立つ奇岩の迫力よ。この奇岩の中に鍾乳洞があります。

 

入口が高い所にあるので、階段をどんどん上がっていく。

 

なかなかの高木を超える高さで、地味に怖い。

 

 鍾乳洞の中には複雑で様々な形状の岩があって、、まさにこれぞ鍾乳洞という感じの、長い年月を経た自然の成せる芸術品に溜息。通るのもやっとの狭いところが続いたかと思えば、ツアー参加者がみんな集まれるくらいの広い空間があったりするのだが、そんな空間の利点を活かして、ベトナム戦争時は現地の人達の避難場所になっていたらしい(というガイドさんの話)。

 

 

 

 鍾乳洞の中を20分くらい歩くと洞窟の反対側に出て、バスに乗って再びtender乗り場へ戻る。ちょうど僕らが上陸した時は引潮だったみたいで、満潮だったら海面から生えているように見えるであろう低木がいっぱい植わっていて、その根の部分が露になっているのが南国っぽい光景で面白かった。

 

すぐ引っこ抜けてしまうのではないかと心配になってくる。

 

 

 tenderに乗って16時半頃にクルーズ船に帰船した後は、1時間半くらい何のイベントもないので、部屋に戻ってハロン湾っぽい眺めを引き続き堪能します。次第に陽が沈んでいく中、刻一刻と色合いを変えていくハロン湾の美しさ。そこに、現地の人達が活動的になる時間帯なのか、行き交う小舟が風景にアクセントを添えていて、全く飽きることなく写真を撮り続ける至福の時間。そして夕空独特の赤紫感を写真に収めるのって本当に難しい。

 

舟もさることながら、舟を漕ぐ人のノンラー(傘)がベトナム感満載。

 

夕陽に照らされる岩層の美しさと、まるで盆栽の様な樹々。

 

写真に撮ってくれと言わんばかりの構図。

 

陽が沈み始めると少しずつ靄がかかってくるのも、また良し。

 

 実は、この夕方のフリータイムの間にもイベント(というかアトラクション?)が準備されていて、希望者はハロン湾を泳げますというもの。いやいや、そんなに綺麗な海じゃないし(宣伝用の写真ではエメラルドグリーンの綺麗な海に映っているけど、実際に目にすると水質悪そう)、そもそも泳ぐには海水が冷たいでしょうと思ったのだが、数人泳いでる人がいたので驚いた。まぁ、例え海が綺麗で、泳ぐのに最適な気温水温だったとしても、僕は泳げないので絶対に入らないけど...

 

ちゃんと海に入るための設備(?)もバッチリ。

 

夕焼けに染まるハロン湾。そして果敢にもハロン湾を泳ぐ人達。

めっちゃ寒そうに泳いでた。

 

 17時半になると3階のデッキにあるバーのハッピーアワーが始まったので、夜のハロン湾の風に吹かれながらカクテルを一杯(もちろんノンアルコール)。もうかなり暗いので岩や島はシルエットしか見えないけど、それすら絵になっている。この雰囲気は日帰りツアーだと堪能できないので、やはり最低でも1泊2日はしたいところです。

 

クルーズ船が夜を明かす場所は決まっているようで、

周りには我々と同じように停泊している船が何隻も。

 

 そうこうしているうちにバーで徐に始まるイベントその3、本場の生春巻き作りレッスン。ガイドさんとシェフの人が実際に春巻きの作り方(巻き方)を教えてくれて、みんなも作ってみましょうという料理コーナーである。そんなものに集まるのかなと思ったら、これが結構集まってきて、しかも作り出すと結構ハマり出して2回目3回目にチャレンジする人続出。みんな楽しそうで、特に欧米ファミリーの3姉妹の一番下の女の子(8歳くらい?)が本当に嬉しそうに作ってたのと、マレーシアから来た一家のお母さんがここぞとばかりに主婦力を発揮して、お父さんや兄弟2人に色々教えてるのが面白かった。

 

作り方を実演してくれるガイドさんとシェフ。

 

みんな楽しく真剣に巻いていきます。美味しゅうございました。

 

レッスンの最後は、みんなで紹興酒のような地元のお酒で乾杯してシメ。

 

 この春巻きは間食みたいなもので、それから1時間ほどしてディナータイム。ランチビュッフェやさっきの春巻きから想像するに、ディナーも結構期待できそうなのだが、問題なのはメニューである。なんせ新鮮なシーフードがウリのベトナム、ハロン湾である。僕が苦手とする食材に溢れていることは想像に難くない。

 

案の定、sea cucumber とか tiger prawn とか、

如何にも食べられなさそうな食材が...

 

 sea cucmberって何? 海のキュウリ? と思ってググったら、ナマコだった。いやいや、前菜からいきなりナマコにシイタケのスープって、どう考えても僕ムリだよと思ったら、これが意外に大丈夫であった。ベトナムだとシイタケの味もちょっとアレンジしてくれるんだろうか。その代わり、tiger prawnはどこからどう食べてもエビで(当たり前)、エビ嫌いにはキツい一品・・・

 

シイタケと書いてなければ抵抗なく口にできそうな見た目のスープ。

 

エビが大丈夫な人であれば美味しく食べられそうな見た目のtiger prawn。

 

メインのチキンは照焼き風ソース。こちらは僕の舌に合いました。

 

ディナータイムはリュートの生演奏付き。

 

 このリュート奏者の方、実はハノイからクルーズ船乗り場までのミニバンに一緒に乗っていた人であった。ミニバンに乗った時、どう見てもツアー客じゃないような現地の人が乗ってるなぁと思ってたんだけど、なるほど、このためだったのね。このリュート生演奏の他、新婚さんや結婚何周年らしき夫婦にはカップルカクテルの演出があったり、全体的に楽しんでもらえる雰囲気作りに頑張ってるのが好感度高く、そこらへんもひっくるめてこのクルーズツアーに参加してよかったなぁと思う。

 

 ディナーの後は部屋に戻ってだらん。みんなは引き続きデッキのバーで飲んだり、伝統的なイカ釣りを体験したりと、それぞれ楽しんでいるようだった。イカ釣りをしてる人たちが部屋のバルコニーから見えたのだが、糸に光るエサっぽいものをつけて海中に垂らすだけというもので、誰一人釣れてなかった。というか、もはやイカ釣りよりも、糸を垂らしながら旅先で知り合った人たちと話すのを楽しんでたんだと思う。停泊中の他のクルーズ船からは大音量のカラオケが聞こえてきたりして、いやー、ハロン湾の夜は盛り上がってます。我々はもう寝ますが。

 

 

→ 3日目