2015.02.28 (土)

 

 

 『アメリカン・スナイパー』 を観た。イラク戦争に四度従軍し、米軍史上最も多くの敵を射殺した実在の兵士、クリス・カイルの手記を、名匠クリント・イーストウッドが映像化。主人公クリスを演じるのは、本作で3年連続アカデミー賞にノミネートされたブラッドリー・クーパー。1月に全米で拡大公開されると興行収入3週連続1位を叩き出し、イーストウッド映画史上、そして戦争映画史上、最大のヒット作となったことも話題。

 

 

 戦争映画と言えど、イーストウッドらしい骨太な演出は健在で、スナイパーとして卓越した才能を持ったクリスが戦地で敵を殺し、戦地で仲間を失い、その復讐心に憑りつかれた様に再び敵を殺す姿を、イーストウッドは真正面から捉えている。そして、知らず知らずのうちに精神を戦争に蝕まれていったクリスが、帰国した後もPTSDの症状に悩まされ、その苦しみは誰にも分かってもらえないだろうという孤独を抱えることになる後半に、イーストウッドの演出の真骨頂がある。観終わってみると本作が反戦映画であることは明らかだが、その反戦的なメッセージが高らかに謳われることなく、あくまで、戦争の英雄と称えられた一人の兵士の物語を語ることで浮き彫りになるあたり、『ミスティック・リバー』 以降、人間の尊厳と闇を描いてきたイーストウッドらしい描き方だ。

 

 ただ、『ハート・ロッカー』 と 『ゼロ・ダーク・サーティ』 の二作品の後では、どうしても戦争シーンのリアルという点で見劣りするのは事実。この2作と本作は別物のジャンルとして捉えた方がいいだろうし、キャスリン・ビグローが描いたような戦場のヒリヒリ感をイーストウッドが目指してるわけではないので、比べるのも野暮かもしれないが、ドラマ部分の見応えがあるだけに惜しい感が残った。特に、クリスにとって宿敵とも言える存在の狙撃手との対決シーンには違和感。そこで突然そんな映画的にならなくても。

 

 18kgの体重増量と過酷なトレーニングで本作に挑んだブラッドリー・クーパーは、確かに渾身の演技ではあるのだが、もはやこれくらいはクーパーの普通になっているので、若干物足りない気がしてしまった。シエナ・ミラーは、なんでこんな平凡な女優を起用したんだろうと中盤あたりからずっと思ってたのだが、最後のクリスの奥さん本人の写真を見て納得。どことなく似てるのね。

 

 

 

 

 

 

2015.02.27 (金)

 

 

 Cornelia de Lange が縦2件! こんな日、生きてる間にもう二度と来ない。二件目はまるでデジャヴのような麻酔導入でしたわ。

 

 

 

 

 

 

2015.02.26 (木)

 

 

 まともにコミュニケーションを取れる人が揃っている職場の、なんと働きやすく居心地のよいことか。(意訳:まともにコミュニケーションを取る気が起こらない人が要職にいる今の職場の、なんと働きづらいことか)

 

 

 

 

 

 

2015.02.24 (火)

 

 

 今年のオスカーで主演男優賞、主演女優賞をそれぞれ受賞したエディ・レッドメインとジュリアン・ムーアは、2人とも今年の2月6日に全米(拡大)公開されたファンタジー/SFアクション映画で悪役を演じている。レッドメインは 『ジュピター』、ムーアは 『SEVENTH SON』。そして2作とも映画の評判はイマイチ・・・

 

  

 

 という、どうでもいいトリビアを思いついてしまうくらい、この2人のオスカー受賞が嬉しくて嬉しくて、一夜明けても後を引いていたりする。今日も、2人が授賞式で名前が呼ばれる瞬間からスピーチまでを何回もリピートして鑑賞。いやー、昨日も書いたけど、オスカーってやっぱりドラマだわ。だから毎年見ちゃうんだわ。

 

 

 

 

 

 

2015.02.23 (月)

 

 

 今年も仕事を休んでライブで鑑賞したアカデミー賞授賞式。主要部門の受賞結果は以下の通りで、とうとうジュリアン・ムーアがオスカーを手にしたのも嬉しかったが、それは前哨戦の段階である程度予想がついていたので、よかったよかったという感じ。それより何よりエディ・レッドメインである。確かに前哨戦終盤での本命マイケル・キートンへの追い上げが凄かったので、もしかしたらオスカーも受賞するんじゃないかと予想はしていたけれど、それでもいざレッドメインの名前が呼ばれると、マジで!! 本当にレッドメイン!! と大興奮。映画デビューから間もない 『グッド・シェパード』 の頃から目をつけていたファンとしては、まさかこんなに早くレッドメインの実力が世界に認識されることになろうとは! という感じで心底嬉しい。ちなみに、主演女優賞を受賞したジュリアン・ムーアとは 『美しすぎる母』 で親子を演じた仲で、プレゼンターのケイト・ブランシェットとは、『エリザベス ゴールデン・エイジ』 で彼女を暗殺しようとした仲。これ以上ない笑顔でブランシェットとハグし合う光景が微笑ましかったなー

 

 

■ 2014年度 アカデミー賞受賞結果 ■

 

作品賞

『バードマン あるいは

(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』

 

 

監督賞

Alejandro González Iñárritu

『バードマン あるいは

(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』

 

 

主演男優賞

Eddie Redmayne

『博士と彼女のセオリー』

 

主演女優賞

Julianne Moore

『アリスのままで』

 

助演男優賞

J. K. Simmons

『セッション』

 

助演女優賞

Patricia Arquette

『6才のボクが

大人になるまで。』

 

『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』 ・・・ 4部門受賞 (作品・監督・脚本・撮影賞)

『グランド・ブダペスト・ホテル』 ・・・ 4部門受賞 (作曲・美術・衣裳デザイン・メイクアップ・ヘアスタイリング賞)

『セッション』 ・・・ 3部門受賞 (助演男優・編集・音響効果賞)

『博士と彼女のセオリー』 ・・・ 1部門受賞 (主演男優賞)

『6才のボクが、大人になるまで。』 ・・・ 1部門受賞 (助演女優賞)

『イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密』 ・・・ 1部門受賞 (脚色賞)

『SELMA』 ・・・ 1部門受賞 (主題歌賞)

『アメリカン・スナイパー』 ・・・ 1部門受賞 (音響編集賞)

 

 

 今年のアカデミー賞は近年稀にみる混戦模様と言われていて、特に主演男優賞、監督賞、作品賞に鉄板候補がいないという事態だったのだが、終わってみれば 『バードマン』 が作品賞、監督賞を含めて4部門受賞、そして 『グランド・ブダペスト・ホテル』 も4部門受賞という結果に。そして批評家協会賞で大きくリードしていた 『6才のボクが、大人になるまで。』 の受賞は1部門のみという寂しい結果に終わってしまったが、一方で、今年は作品賞にノミネートされた8本全てが何らかの部門で受賞するという、ある意味珍しい事態になった。これは、作品賞にノミネートされた作品が、どの作品も選ばれるべくして選ばれた映画であるとも言えよう。8本中6本はまだ観れてないので、公開が楽しみ。

 

 受賞結果のみならず、ショーとしての見応えもあった今年の授賞式。間違いなく最大のクライマックスは、奇抜じゃないドレスを来た姿が逆に物珍しく見えるレディ・ガガが 『サウンド・オブ・ミュージック』 メドレーを素晴らしい歌声で聴かせてくれた後に、ジュリー・アンドリュースがプレゼンターとして登場したシーン。ジュリー・アンドリュースが涙目でレディ・ガガとハグしてて、観てるこっちも泣けてきた。その他、外国語映画賞を受賞した 『イーダ』 のパヴェウ・パヴリコフスキが音楽が鳴り始めても(そして鳴り止んだ後まで!)ユーモア溢れる感謝のスピーチを続けて会場の拍手喝采を浴びたり、『イミテーション・ゲーム』 で脚色賞を受賞したグラハム・ムーアが 「自分の居場所がない」 と感じている若者たちへエールを送る名スピーチを聞かせてくれたり、J・K・シモンズが 「メールじゃなく電話で直接ママに愛してると伝えるんだ」 とメッセージを送ったり、女性の平等な賃金を訴えてスピーチを締めたパトリシア・アークェットに賛同したメリル・ストリープが最前列で興奮気味に身を乗り出して拍手したりと、オスカーの歴史に残る名シーンが誕生した授賞式だった。もちろん、オスカー像を手にした喜びを噛みしめて感極まっちゃったエディ・レドメインの初々しいスピーチも含めて。あ、あと、アレクサンドラ・デスペラが8度目のノミネートで初受賞を果たした時に、会場がBGMの 『グランド・ブダペスト・ホテル』 に合わせて手拍子を打ってたのも何だか良かったな。

 

 こうやって振り返ってみると、これぞオスカーという数々のドラマが生まれ、久々にライブで観る醍醐味がたっぷり詰まっていた授賞式だった。残念ながらこれで今年もアカデミー賞の季節が終わり、しばらく脱力の日々を送るわけだが、来年はどんな作品がノミネートされるのか、そして受賞するのか。既に今から楽しみ。

 

 

 

 

 

 

2015.02.22 (日)

 

 

 『はじまりのうた』 を観た。『ONCE ダブリンの街角で』 のジョン・カーニー監督がニューヨークを舞台に、音楽に生きる人々を再び描いた物語。ミュージシャンの彼に裏切られた失意のソングライター(キーラ・ナイトレイ)と、自分が立ち上げたレーベルをクビになって人生が終わりかけている音楽プロデューサー(マーク・ラファロ)は、偶然の出会いからタッグを組んでアルバムを作り始めるが、そのうちにそれぞれの人生に再生の道を見つけていく。マルーン5のヴォーカル、アダム・レヴィーンが映画初出演するのも話題。

 

 

 劇中で歌われる曲達が登場人物の再生の物語に完全にシンクロしていて、それなのに 「いい曲だろー」 的な、これみよがし感が全くなく、けれども歌がなかったら決して伝わらなかったであろう大人の物語がそこにはあって、人生を描いたドラマとしても秀逸という稀有な音楽映画だった。どこが良かったって、ほぼ全部のシーンが良かったからレビューを書くのに困るのだが、キーラ・ナイトレイが歌声を披露する冒頭のシーンから、マーク・ラファロとナイトレイがバンドメンバーを集めてアウトドアでレコーディングするシーン、2人がそれぞれのお気に入りの曲を聴きながら夜のニューヨークを歩くシーン、浮気した元カレにナイトレイが親友(ジェームズ・コルデン、イイ!)と二人で留守電に歌を残すシーンなどなど、とにかくどのシーンも登場人物たちを見つめる優しさに溢れているのだ。それも、キャメロン・クロウ的な甘さの強い優しさではなく、人生の辛さを経験したからこそ持つことができる優しさみたいな。その集大成とも言えるのが、音楽的には盛り上がりながら、物語には大人のほろ苦さを残すラストのライブシーン。アダム・レヴィーンの見事な歌も相まって本作の白眉となっており、思わず涙がこぼれてしまった。こういう佳作に出会うことがあるから、小粒な映画を観に行くのがやめられない。そんな一本。

 

 いつものナチュラルな魅力だけでなく、絶妙な素人っぽさが残るギターと歌声が心を掴むキーラ・ナイトレイに、人生を投げ出しかけた "くたびれ感" を嫌味じゃなく素のように演じられるマーク・ラファロ。今年のオスカー助演部門ではそれぞれ別の映画でノミネートされている2人だが、2人とも本作で主演部門にノミネートされるべきだったと思うくらいの好演を見せてくれた。この2人だけじゃなく、ワキを固めるミュージシャン達もいい味を出していたし、ナイトレイ演じるグレタの(元)恋人役のアダム・レヴィーン(すいません、この映画観るまで彼の名前どころかマルーン5っていうバンド名すら知りませんでした)は、本作が映画初出演とは思えないくらい適役。何より、あの圧巻のステージパフォーマンス! やっぱりサントラ買おっと。

 

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 アカデミー賞授賞式直前ということで、今年も発表されたラジー賞。作品賞含めて4冠を達成した 『Kirk Cameron's SAVING CHRISTMAS』 は、現在IMDBで☆1.4というダントツ最下位を突っ走っており、どこまでくだらないのか観てみたい気も。まぁ日本で公開されることはないだろうな。

 

■ 2014年度 ラジー賞受賞結果 ■

 

Worst Picture

Krik Cmaeron's SAVING CHRISTMAS

 

 

Worst Screenplay

Krik Cmaeron's SAVING CHRISTMAS

 

 

 

Worst Screen Combo

Kirk Cameron & His Ego

Krik Cmaeron's SAVING CHRISTMAS

 

 

Worst Remake, Rip-Off or Sequel

ANNIE / 『ANNIE アニー』

 

 

 

 

Worst Direcotr

Michael Bay

TRANSFORMERS 4: Age of Extinction / 『トランスフォーマー ロストエイジ』

 

 

Worst Actor

Kirk Cameron

Krik Cmaeron's SAING CHRISTMAS

 

 

Worst Actress

Cameron Diaz

THE OTHER WOMAN / , SEX TAPE /

 

  

 

Worst Supporting Actor

Kelsey Grammer

EXPENDABLES 3 / 『エクスペンダブルズ3』,

LEGENDS OF OZ, 『オズ めざせ!エメラルドの国へ』

THINK LIKE A MAN TOO / ,

TRANSFORMERS 4: Age of Extinction

 

        

 

Worst Supporting Actress

Megan Fox

TEENAGE MUTANT NINJA TURTLES / 『ミュータント・タートルズ』

 

 

 

 

 

 

 

2015.02.21 (土)

 

 

 『悼む人』 を観た。『永遠の仔』 や 『家族狩り』 の天童荒太が直木賞を受賞した同名小説を映画化したドラマ。その地で亡くなった人々を 「悼む」 ために旅を続ける主人公の姿を追いながら、彼が旅の途中で出会う人々と、彼の家族の生と死を描く。監督は 『20世紀少年』 の堤幸彦。主演は高良健吾。

 

 

 過剰な演出や演技に頼ることなく、淡々と登場人物それぞれのエピソードが描かれる前半には引き込まれたが、肝心の主人公の物語がメインとなる後半になると、イマイチ内面に入り込みきれないままラスト近くで唐突に急展開を迎えてしまうのが惜しい。原作は未読だが、恐らく原作が持つメッセージや内面描写が堤幸彦の手に余る素材だったのではなかろうか。題材的には他の監督に手掛けてほしかった物語である。

 

 とは言え、俳優たちの演技からは一時たりとも目が離せず、それを堪能できただけでも十分観る価値のある2時間ではあった。表情をあまり宿さない中に一瞬の意志を見せる高良健吾、疲れきった表情と佇まいが時折色っぽくも見える石田ゆり子、最早キャスティングしただけで「ずるい」と思えてしまうほどに上手い大竹しのぶ、少ない登場シーンながら観る者に確実に印象を残す麻生祐未。例え物語の伝えようとするものが曖昧なまま終わっても、彼らの演技を観てるだけで 「この映画を観てよかった」 と思える。だが、そんな余韻に浸る間もなく、最後に突然流れ始める主題歌に唖然茫然。いやぁぁぁぁぁぁぁぁ。頼むからやめてくれぇぇぇぇぇ。いきなり現実に引き戻さないでくれぇぇぇぇぇぇ。今まで観てきた2時間を、大竹しのぶや高良健吾や椎名桔平の演技を一瞬で台無しするほどの恐ろしい破壊力。こんなエンディングにしてくれた首謀者、誰だぁぁぁぁぁぁぁ。

 

 

 

 

 

 

2015.02.19 (木)

 

 

 めちゃめちゃ久しぶりに麻酔をかけた某科の某術式は、何から何までトロ過ぎて、イライラを通り越して諦めの境地に。コレに関わるのは一年に一度でいいな・・・

 

 

 

 

 

 

2015.02.18 (水)

 

 

 タイムアウトをした後に部屋を出て、40分後くらいに呼ばれて部屋に行ったら、さっきオペが始まったばかりだったという衝撃。改めて、大学病院って異次元な空間。

 

 

 

 

 

 

2015.02.17 (火)

 

 

 久々に当直室で寝たら、水道管を水が流れる音とか、朝方の工事の音とか、カラスの鳴き声とか、眠りを妨げる物が多過ぎて全然寝た気になれず。かくなる上は耳栓か。

 

 

 

 

 

 

2015.02.16 (月)

 

 

 緊急開頭血腫除去の申し込み手術時間が4時間という不思議に遭遇し、本当に開頭血腫除去だけで4時間かかったという更なる不思議で終わった、約半年ぶりの当直。

 

 

 

 

 

 

2015.02.15 (日)

 

 

 『シェアハウス・ウィズ・ヴァンパイア』 を観た。現代のニュージーランドで共同生活をしている、生まれた時代もヴァンパイアになった理由も違う4人のヴァンパイア。彼らの一人が甘噛みしてしまったがために新入りヴァンパイアになってしまった元人間と、その親友の人間を巻き込んだ騒動を、モキュメンタリータッチで描いたコメディ。トロント国際映画祭やメルボルン国際映画祭などで観客賞を総なめにしたことで話題。

 

 

 太陽の光に当たると発火しちゃうとか、銀に弱いなどのヴァンパイアの基本を押さえてネタにするだけでなく、ゾンビや狼男が登場して各種ヴァンパイア映画のパロディまで披露してしまうという、これはもうアイディアの勝利。正直それ以上でもそれ以下でもないので長々とコメントのしようがないのだが、個人的には、嫌いじゃないけど手放しで笑えるほどでもないという微妙なラインで、惜しい。モキュメンタリータッチっていうのが足枷になってるのもあると思う。まぁ、それが本作の面白さ(パロディ)の一つになってるのは確かなんだけど。

 

 可笑しかったのが、人間の仲間をゲットしたヴァンパイアたちが、ちゃっかりモダナイズされたがっちゃうところ。この前まで人間だったヴァンパイアの顔パスで、今まで行きたかったのに入れなかったダンスクラブに入れちゃったり、インターネットを教えてもらってグーグルで昔の召使いを探し出したりするんである。こういうネタ、好きだなー。

 

 

 

 

 

 

2015.02.14 (土)

 

 

 『フォックスキャッチャー』 を観た。1996年にアメリカで起きた、レスリング五輪金メダリストのデイヴ・シュルツ殺害事件。その犯人はデイヴと弟のマークにトレーニング場を提供し、ソウルオリンピックのレスリングチームを率いたコーチでもあった財団の御曹司、ジョン・デュポンだった。彼らの間に一体何が起こったのか。『カポーティ』 と 『マネーボール』 のベネット・ミラーが描く心理サスペンス。特殊メイクで変身したスティーブ・カレルがジョン・デュポンを演じ、マークとデイヴのシュルツ兄弟をチャニング・テイタムとマーク・ラファロが演じる。

 

 

 『カポーティ』 では少ない台詞の行間と冷え冷えとした映像で人間の闇を描いたベネット・ミラー監督だが、本作はそれを更に上回る寡黙な演出と寒々しい映像で、再び人間の闇を浮かび上がらせた。冒頭、ほぼ無言でトレーニングを続けるデイヴとマーク。このたった数分のシーンだけで兄弟の関係を浮き彫りにすると、間もなく物語にはジョン・デュポンが登場する。ジョンがマークを殺害するという結果を知っている観客は、ジョンが登場するや、何故そのような事件が引き起こされたのかを探ろうとストーリーを追い続け、いつしかマークとジョンの内面に潜む闇に触れるようになる。これだけ台詞が少ないにもかかわらず、「人に認められたい」 という2人の屈折した思いが過熱していく様を浮き彫りにしていくベネット・ミラーの凄まじい演出力。そして、ミラーは 「なぜジョン・デュポンはデイヴ・シュルツを殺したのか?」 という問いかけに明確な答えを与えない。物語を観て何を感じるかは観客に委ねたまま、だが確実に観る者に深い爪跡と衝撃を残して物語を終わらせていくのだ。くどいようだが、これだけ台詞が少ないのに、である。これぞ極上の映画体験。この疲労感、久々である。

 

 特殊メイクのせいだけでは済まされないほどに不気味で得体のしれない怪演を見せるスティーブ・カレルと、無言の演技の中に 「ごく普通」 さを漂わせるマーク・ラファロ。この2人がアカデミー賞にノミネートされたのも納得だが、多くを語らずして兄へのコンプレックスをひしひしと滲ませる演技を見せたチャニング・テイタムももっと称賛されるべきだった。これまでのテイタムのイメージとは全く違う、ダークな面が強いキャラクターだが、テイタム自身の人の良さそうな子供っぽさが、それと表裏一体となった脆さや不安定さにつながっていて、他の俳優ではこうはならなかったと思う。新境地と言うに相応しい熱演。

 

 『カポーティ』 でもそうだったが、ベネット・ミラー監督は、登場人物の内面と物語の不穏な空気を象徴するかのような背景を捉えるのが上手い。本作では、ジョン・デュポンがオリンピックチームに練習場を提供したフォックスキャッチャー農場そのものが物語の重要な要素となっていて、広大な農場の敷地の中をジョンが一人歩いているだけで物言わぬ何かが語られているよう。スクリーンに映し出された映像が物語る力を把握しているこの監督の次回作が楽しみである。

 

 

 

 

 

 

2015.02.13 (金)

 

 

 バレンタインを目前にして外勤先の麻酔科控室に色んなチョコレートが溢れかえっていたり、義理チョコを頂いたりするのは嬉しいことなのだが、そろそろ間食控えなきゃなと思ってたタイミングでバレンタインっていうのがどうにもこうにも・・・

 

 

 

 

 

 

2015.02.11 (水・祝)

 

 

 都営大江戸線の汐留駅にて。中井まで33分かかるのに、中井の次の落合南長崎まで28分? と思ってよく見たら、中井と落合南長崎のところだけ上からシール貼られてるというイタズラだった。遠目で見ると全然分からん。

 

 

 

 

 

 

 

2015.02.10 (火)

 

 

 BMI 40だし、もう無理しないで全麻でいいやと割り切って針を進めたところで髄液の逆流が来て内心ガッツポーズという、麻酔科的マーフィーの法則。

 

 

 

 

 

 

2015.02.09 (月)

 

 

 肉の日にちなんで(?)、外勤先の先生達と一緒に焼肉。4年前の今頃にも行った、南青山の 「よろにく」 というお店。

 

 4年前に行った時も美味しかったと記憶しているけれど、今回も美味しくて美味しくて。お店の人が焼いてくれた肉を口に入れた瞬間に思わず顔がほころんじゃうくらい美味しくって。こんだけ美味しい肉だったら食レポするのも楽だろうなー、っていうくらい美味しくって。4年前に食べた白くまのかき氷と、ほうじ茶のかき氷も健在でした。

 

 

 

 

 

 

2015.02.08 (日)

 

 

 今日はランチもカフェもディナーも、全て初めて入るお店という珍しい一日。写真は、銀座 CAFE FREDY のフレンチトースト。

 

 

 本当は別のカフェに行くつもりだったところ、たまたま前を通ったら美味しそうなフレンチトーストの看板が出てたので試しに入ってみたのだが、これが超美味しくて。外はパリパリで、中は柔らかくて、しかもメープルシロップかけ放題という、言うことナシなフレンチトースト。その割にそこまで混んでなくて、昼の3時前に入ったのに、ちらほら空席が。これは、何かの拍子に人気に火がついて大混雑になる前にもう一度行かねば。

 

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 『チャーリー・モルデカイ 華麗なる名画の秘密』 を観た。ジョニー・デップがインチキ美術商のチャーリー・モルデカイに扮して、盗まれた幻の名画を探すアクション・コメディ。グウィネス・パルトロウ、ユアン・マクレガー、ポール・ベタニー共演。監督は 『シークレット・ウィンドウ』 でもデップと組んだデヴィッド・コープ。

 

 

 笑えないコメディほど観ていてツライものはない。そんなことを思い出させてくれるくらい、ぜーんぜん面白くない一本だった。もはや顔が白塗りじゃなくても毎回ワンパタに見えてしまうデップのコメディ演技(というかジャック・スパロウ演技)は登場した瞬間にもう食傷気味だし、冒頭のシークェンスだけでセンスの無さが露呈するデヴィッド・コープの演出はコメディにもアクションにも向いてないし、本来ならば頼みの綱となるはずのユアン・マクレガーも、やる気ある? と問い質したくなるくらい手抜きの演技だし。え? グウィネス・パルトロウ? いやいや。ハナからグウィネス・パルトロウなんかにコメディセンスを期待できるわけがないでしょう。

 

 結局、ジョニー・デップのキャラ演技に頼る以外に何のワザもない監督が、何を勘違いしたのか古典的コメディに手を出してしまったがゆえの失敗作なんだが、そんな中、チャーリーの用心棒とし散々な目に遭うジョックを演じるポール・ベタニーだけは一見の価値アリ。ベタニーにしては珍しく体を張って笑わせてくれて、映画はクソつまらないが、ジョックの登場シーンだけは楽しませてもらった。できればジョックを主人公にしたスピンオフを作って頂きたいくらいです。

 

 

 

 

 

 

2015.02.07 (土)

 

 

 ワケあって外苑前から恵比寿まで歩き、学芸大学から目黒まで歩き、トータル8km以上を徒歩で回った港区目黒区の旅。最後に目黒駅目前にして上り坂が続くの辛かった・・・ でも、おかげで思わぬ所で思わぬ拾い物が見つかり、歩いた甲斐はあったのでヨシ。

 

 

 

 

 

 

2015.02.05 (木)

 

 

 夕方から3時間半くらい時間をかけて怒涛の打ち合わせ。懸念事項も含めて色々なことを決めることができ、いよいよ大詰め感が漂ってきた。やっぱ床はもうちょっとダークな方がよかったかなー

 

 

 

 

 

 

2015.02.04 (水)

 

 

 備忘録。小児(新生児)期の delayed sternal closure や、感染で洗いまくってから胸骨閉めた症例では、20年後の癒着が案外少なかったりする(洗いまくったから?)。おかげで思いの外早く終わりました。

 

 

 

 

 

 

2015.02.03 (火)

 

 

 その年の恵方を向いて食べると演技がいいから 「恵方巻」 って呼ぶということを今日初めて知ったというか、そもそも 「恵方」 っていう単語があることを今日初めて知ったというか。

 

 

 

 

 

 

2015.02.02 (月)

 

 

 テイラー・スウィフトの "Shake It Off" がマイブームになってる勢いに任せてテイラーのアルバムをタワレコ・オンラインで買ったら、"Shake It Off" が入ってないアルバムが家に届くという、超初歩的ミステイク。仕方ないからテラスハウスの主題歌でも聴くか・・・

 

 

 

 

 

 

2015.02.01 (日)

 

 

 『エクソダス:神と王』 を観た。旧約聖書の出エジプト記のうち、モーゼが奇跡を起こして紅海を渡るまでの物語を 『グラディエーター』 のリドリー・スコットが3Dで映像化。モーゼを演じるのはクリスチャン・ベイル。

 

 

 さすがリドリー・スコットだけあって、冒頭の馬車での戦闘シーンから、エジプトに降りかかる十の災い、そして紅海を前にした奇跡の大スペクタクルと、これぞハリウッド大作と言うに相応しいスケールの3D映像は見応えたっぷり。正直、クライマックスで海が割れないのはガッカリ感が漂うが、数々の奇跡にリアリティを持たせようとした(=科学的根拠を与えようとした)リドリー独自のこだわりということもあり、割れなくても納得はできる。まぁ、それってキリスト教的にどうなのよっていう感じだし、神と対話してから取り憑かれたようにヘブライ人の自由を訴えるモーゼは、預言を聞いた者というより統合失調症っぽく見えるので、もしかしてリドリーは聖書に懐疑的なんだろうかと勘繰りたくなる。そもそも、紅海を渡りきった後のモーゼに、今だからこそ現代世界に問いかける力を持ったセリフを言わせるあたり、旧約聖書という範疇を超えたテーマを描きたかったんじゃないだろうか。そう言えば、同じく旧約聖書のエピソードを映像化したダーレン・アロノフスキーの 『ノア』 も、ノアが世界の浄化を狂信的に実現させようとするあたりに独自の解釈を見せていたっけ。CG技術が発達した今となっては聖書の奇跡の映像化自体はさほど難しくないから、ビジョンを持った監督ほど何か一味加えたくなるということだろうか。

 

 相変わらずストイックに役作りをしているクリスチャン・ベイルは、スペクタクル映像に負けない存在感を放っていてさすが。そんなベールと唯一渡り合えてたのは、モーゼの腹違いの兄にして敵となるラムセスを演じるジョエル・エドガートンくらいで、大御所シガニー・ウィーバーとベン・キングスレーの出番を楽しみにしていたら、2人とも後半になるにつれて想像以上に出番が少な過ぎる衝撃。こんなんならシガニー出る必要ないよ・・・

 

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 先月中旬、銀座のアンリ・シャルパンティエが改装のために4月まで一時閉店となってしまい、銀座の行きつけのカフェがなくなってピンチだったのだが、その間、顔見知りの店員さんが日本橋高島屋の店舗に異動になるということだったので、イートインコーナーもあることだし、日本橋で映画を観たついでに行ってみたら、いやー、やっぱりアンリ・シャルパンティエ美味しいわー。新商品食べたけどハズレないわー。

 

タルト・ショコラ・シトロン。タルト生地に流し込まれたチョコレートクリームが濃厚で絶品!

 

 この美味しさを2ヶ月間お預けは厳しいので、イートインコーナー狭いけど、また来ます。

 

 

 

 

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