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Salma Hayek : FRIDA / 『フリーダ』
実在のメキシコの女流画家、フリーダ・カーロ。小児麻痺で身体障害があり、バイセクシャルで波乱万丈の人生を送った彼女を
演じたいと思った女優は多い。そんなマドンナやジェニファー・ロペス達を蹴落とし、
役をゲットしたサルマ・ハエックが渾身の演技で見事ノミネート。
『デスペラード』 や 『フロム・ダスク・ティル・ドーン』 の姉ちゃんがまさかオスカー候補になるなんて!
フリーダを演じるために6年の歳月をかけたハエックは、彼女の16歳から47歳までを凛と演じる。
アルフレッド・モリーナやジェフリー・ラッシュ、エドワード・ノートン等の名優、演技派に囲まれても見せる堂々とした演技。
そうか。ハエックってもう36歳なのか。てっきり20代だと思ってた。
やはり女優は年を重ねるごとに美しく、そして強くなるのだ。
実在の人物を演じるとオスカーを受賞しやすいという法則もあるし、
実際最近の3年間の受賞者の中には必ず実在の役がいる(ヒラリー・スワンク、ジュリア・ロバーツ、ジェニファー・コネリーと、みんな女優だ)。
ただし前哨戦はゼロ。GGにノミネートされた勢いで、全米俳優協会賞にも名を連ねた。
メキシコ系女優で候補になったのは今までいないらしく、ベニチオ・デル・トロに続き、ヒスパニック系のオスカーが誕生するか。
ちなみにロペスは本年度ラジー賞ノミネート。マドンナも当然の如く名前を連ねている。
Nicole Kidman : THE HOURS / 『めぐりあう時間たち』
歌って踊った 『ムーラン・ルージュ』 の歌姫に続き(今年はゼルウィガーが歌って踊る!)、今年は実在の女流作家、ヴァージニア・ウルフに扮してノミネートのキッドマン。
作り物のわし鼻に、ボサボサの髪型。精神を病みながら執筆を続けるウルフになりきった彼女に、試写で観た人達は気づかなかったとか。
この作品でキッドマンは、ガッツとやる気だけではなく女優としての実力を示したと言えよう。
トムクルと結婚していた時は仕事より家庭を優先してあまり仕事に打ち込めなかったというキッドマン。
確かに、明らかに離婚してから頭角をめきめきと現している。
2002年は出演映画1本だったが、2003年、2004年にはそれぞれ3作も主演作品が待機中。
まだ35歳と若いとはいえ、今が旬であることは間違いない。
受賞するなら今か、それとも来年もまたノミネートされるか! ライバルは、同じく 『めぐりあう〜』 にも出演しているムーア、
そして来年共演するゼルウィガーあたり。
【ラスベガス批評家協会賞、ゴールデングローブ賞受賞】
# オスカーノミネート歴 '01 『ムーラン・ルージュ』 (主演)
Diane Lane : UNFAITHFUL / 『運命の女』
24年前に 『リトル・ロマンス』 で初々しいデビューを飾ったダイアン・レイン(当時14歳)。
その後は、とても少女とは思えない妖艶な魅力でスクリーンに登場してきたが、
天晴れな脱ぎッぷりとB級俳優との結婚がマイナスとなって低迷し続けた80年代後半。
最近では 『パーフェクト・ストーム』 や 『陽だまりのグラウンド』 などに出演していたが、
そんな彼女が40前(現在38歳)になって 『コットン・クラブ』 仲間のリチャード・ギアと夫婦役を演じ、
若い男との不倫に溺れる主婦役でオスカーノミネートとは、人生わからないものである。
実際、イケナイことにのめりこみながら夫への罪悪感を表しながら、けど・・・・と揺れ動く気持ちを多彩な表情で演じる彼女は見事。
批評家ウケもグーなので受賞の可能性は十分アリ。
ハル・ベリーに続く、文字通りカラダを張った受賞なるか?
同じく批評家ウケのいいムーアに比べて、今後ノミネートされる可能性が少なさそうであることを考えると(失礼)、
レインに投票する人もいるかもしれない。
ただし映画の評判はよろしくないのがマイナス。
同じエイドリアン・ライン監督の 『危険な情事』 ではグレン・クロースがノミネートされたが受賞ならず。
【ニューヨーク批評家協会賞、全米批評家協会賞受賞】
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Julianne Moore : FAR FROM HEAVEN / 『エデンより彼方に』
今年の主演女優賞で圧倒的な強さを見せるジュリアン・ムーア。
なんてったってダブルノミネートだ。どちからで受賞する確率はかなり高い。
しかも前哨戦をほとんど制覇。前々から素晴らしい女優だったが、
はっきり言って最近はどうでもいい映画(『エボリューション』 『ハンニバル』 『シッピング・ニュース』・・・・)が続いた彼女。
しかし今回で完全復活。42歳の彼女が素晴らしい演技を見せるのは、
『エデンより彼方に』(ナイス邦題!)で酒浸りの夫が男と浮気している場面を目撃し、黒人の庭師と恋に落ちていき、
周囲から白い目で見られる1950年代の主婦。
批評家達は、これまでにないほど完璧で優しい演技を見せたと評している。
映画自体も前哨戦で多くの作品賞に輝くほど評判がいい。
とにかく今年の大本命。僕としても受賞してくれたらかなり嬉しい。
受賞すれば久々に実力派女優のオスカー受賞となるのでは(失礼)。
関係ないが今年はリチャード・ギアと共演するムーア。
何とギア様、今年のノミニー3人と共演とは!
【ベルリン映画祭主演女優賞、ロサンゼルス批評家協会賞、オンライン批評家協会賞、
ブロードキャスト批評家協会賞、ナショナル・ボード・オブ・レビュー受賞】
# オスカーノミネート歴 '97 『ブギーナイツ』 (助演)
'99 『ことの終わり』 (主演)
Renée Zellweger : CHICAGO / 『シカゴ』
カワイコちゃん女優のレネー・ゼルウィガーが、殺人というスキャンダルを利用してスターダムをのしあがっていく役を演じるなんて、
誰が予想しただろうか。しかも歌う! 踊る! ブロンドが眩しい! これがガラリとイメージが変わるからスゴイ。
それどころか、彼女のはにかみ具合が一転して欲望の塊になるから怖いものだ。
去年ノミネートされた 『ブリジット・ジョーンズの日記』 とはあまりに対照的である。
他のキャストにミュージカル経験がある一方、経験のなかったゼルウィガーはトレーニングを重ねて見事演じきった。
その変身っぷりにアカデミー会員が魅せられるか。
けれど、「演技派」 という印象よりも親しみやすい印象の強いゼルウィガー。
オスカー受賞にはちょっと軽めの女優と見られてないかどうか心配。
というか、個人的には貫禄のある女優にはまだなってほしくないという感も。
映画の賞レース最後の追い込みに乗れるか?
【ゴールデングローブ賞、全米俳優組合賞受賞】
# オスカーノミネート歴 '01 『ブリジット・ジョーンズの日記』 (主演)
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