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Keisha Castle-Hughes : WHALE RIDER / 『クジラの島の少女』
誰も予想しなかった、今年最大のサプライズ。文句ナシの主演女優賞の史上最年少候補者は、演技未経験の13歳だ。
俳優組合賞では助演で候補に挙がっていたが、演技力が思いっきり高めに評価されて主演で候補入り。
ナオミ・ワッツと共に南太平洋出身軍団で、演じるのは彼女自身の生い立ちと同じマオリ族の娘、パイケア。
ズバ抜けた若さ、というか幼いというか小さいというか、
とにかく13歳で助演ならまだしも、主演でオスカーを手に出来るか?
この年齢ならノミネートだけでも十分ではなかろうか。
受賞なんかしようもんなら、これからの女優人生のプレッシャーになっちゃうんじゃないかと、
テータム・オニールあたりを見ている会員なら心配するはず(アンナ・パキンはギリギリセーフ)。
正真正銘のデビュー作で受賞した俳優もそんなに多くなく、これまでに13人。
あ、でもアンナ・パキンもその一人だ(『ピアノ・レッスン』 がデビュー作)。あちゃー
Diane Keaton : SOMETHING'S GOTTA GIVE / 『恋愛適齢期』
『アニー・ホール』 から27年。ダイアン・キートンも間もなく還暦を迎えようとしているところ。
既にベテラン女優の域に達しながらも、いつも軽妙さを失わない彼女の今回のノミネートは、
何とラブコメの主役! しかも、娘の年の離れた恋人と、彼を救った若い医師の二人に想いを寄せられるオイシイ役である。
年の離れた恋人にがジャック・ニコルソンというのはいつものパターンだが、
若い医師にはネオことキアヌ・リーブスが扮していたりして、キアヌの作品選びにまたまたビックリ。
それは置いといて、『花嫁のパパ』 シリーズで気心が知れたナンシー・メイヤーズ監督(『ハート・オブ・ウーマン』)のもと、
老いても(失礼)ますますキュートさを失わないキートンならば、
中年女性会員層の心を掴んでゲットしてもおかしくない。
ロマコメで獲るのは難しいと言われる主演女優賞だが(最近では 『恋に落ちたシェイクスピア』 のグウィネス・パルトロウ)、
何を隠そう彼女自身がロマコメ受賞の一人なんだから!
【ゴールデングローブ賞、ナショナル・ボード・オブ・レビュー受賞】
# オスカーノミネート歴 '77 『アニー・ホール』 (主演・受賞)
'81 『レッズ』 (主演)
'96 『マイ・ルーム』 (主演)
Samantha Morton : IN AMERICA
/ 『イン・アメリカ 三つの小さな願いごと』
映画ごとに雰囲気をガラッと変えられる女優であることは、
オスカーにノミネートされた 『ギター弾きの恋』 と、鮮烈なプリコグ役が記憶に新しい 『マイノリティ・リポート』 を観れば明らか。
そんなモートンが主演女優賞にノミネートされたのは、
『父の祈りを』 の名匠ジム・シェリダン監督の自伝的物語で、
夫の失業でアイルランドからアメリカへ移住してきた一家の母親役。
今までと違って派手な上手さはないが、
派手な感情表現を使わなくても一人の生身の人間の存在感を出せる女優であることが分かる。
セロンやワッツより落ち着いてそうだが、
年齢的には26歳と、キャッスル・ヒューズに次ぐ2番目の若さ。
この年齢で2度のノミネートと、これだけの落ち着いた演技は、
これからも高く評価され続けることを保証するし、
前哨戦では鳴りを潜めていていきなりオスカーになって顔を出してきたというのもあるし、
今回は華やか組に譲ることになるのでは。
# オスカーノミネート歴 '99 『ギター弾きの恋』 (助演)
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Charlize Theron : MONSTER / 『モンスター』
”モデル出身でキレイな女優”の感がなかなかぬぐえなかったシャリーズ・セロン。
とは言っても、これまでの出演作はどれもそれなりの話題作で、
共演・監督陣もトム・ハンクス、アル・パチーノ、ジョニー・デップ、トビー・マグワイア、ロバート・デ・ニーロ、
ロバート・レッドフォードとなかなか豪華。
彼らにもまれていつの間にか演技力をつけ、各種映画賞を受賞、見事オスカーに名を連ねた。
彼女が演じるのは、名作 『テルマ&ルイーズ』 のモデルとも言われる、全米初の女性連続殺人犯アイリーン。
実在の連続殺人犯で、しかもバーで会ったレズビアン(クリスティーナ・リッチ!)と恋に落ちて破滅したりと、
今までにない役を演じるセロンだが、
ご覧の通りのブスメイクで美貌を隠蔽。
とにかく、ここでやる気を見せなきゃと思ったかどうかは知らないが、
思い切った役作りに出たセロン。
去年もキッドマンがつけ鼻メイクの”この人誰?”で受賞したことを考えると、
ここまで変身しきったセロンが受賞する可能性は高い。
各種前哨戦でも他の候補者より一歩リードしている感もあるし、
最近の 「主演女優賞は華がある女優」 の波に乗って一応本命。
【ゴールデングローブ賞、全米批評家協会賞、ブロードキャスト批評家協会賞、
全米俳優組合協会賞受賞】
Naomi Watts : 21 GRAMS / 『21グラム』
『マルホランド・ドライブ』 でブレイクし、『ザ・リング』 でおなじみの遅咲きの35歳ナオミ・ワッツがノミネートされたのは、
『アモーレス・ペロス』 で絶賛されたスペインの新鋭監督アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトウの新作だ。
ショーン・ペン、ワッツ、ベニチオ・デル・トロと、主演3人がもれなくノミネートされて、評判もかなり高めの本作。
ワッツが演じるのは家族を交通事故で亡くしたクリスティーナで、
ペンが演じる、夫の心臓が移植された男との奇妙な関係が始まっていく。
『ザ・リング』 の続編や、ピーター・ジャクソン監督の新作 『キング・コング』 に出演が決まっていたりして、
これからどんどん上り調子のワッツ。
逆に言えば、まだまだこれからの女優ということで今回は見送られる可能性もあるが、
本命不在部門なので受賞の可能性も十分。
若干華にかける女優ではあるが、
ラッセル・クロウやニコール・キッッドマンに続き、オーストラリア俳優の受賞なるか?
【ロサンゼルス批評家協会賞、オンライン批評家協会賞受賞】
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