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Shohreh Aghdashloo : HOUSE OF SAND AND FOG
/ 『砂と霧の家』
『砂と霧の家』 でベン・キングスレー演じる家の主の妻を演じるショフレー・アグダシュルー。
名前が読みづらいったらありゃしない。というか、これで読み方合ってるの?
一応この部門では最年長の51歳だが、アメリカでの知名度はかなり低い(渡辺謙やキャッスル・ヒューも)。
イランからの移民役だが彼女自身もイラン人。国境の壁が受賞を阻みかねないが、
長年の舞台で培われた演技力はオスカー俳優二人に負けない確かなもので、批評家ウケはバッチリ。
ただし批評家ウケとは必ずしも相関しないのがアカデミー賞で、
今回はゼルウィガーという強敵がいるし、全米俳優組合協会賞にはノミネートすらされていない(ゲイ・ハーデンも)。
アカデミー会員が純粋に演技力のみを評価して投票してくれるかどうかが勝負。
【ロサンゼルス批評家協会賞、ニューヨーク批評家協会賞、オンライン批評家協会賞受賞】
Patricia Clarkson : PIECES OF APRIL / 『エイプリルの七面鳥』
『グリーンマイル』 や 『エデンより彼方に』 など、
オスカー関連作品にも顔を出して確かな演技力を披露していたパトリシア・クラークソン。
出演作も話題になるものが増え、今年は満を持してのノミネートだ。
サンダンス映画祭で観客賞を受賞した 『STATION AGENT』 にも出演して高く評価されているが、
ノミネートされたのは 『PIECES OF APRIL』 で演じる、
主人公のパンク・ガール(ケイティ・ホルムズ)の、乳癌を患っている毒舌家の母親役。
この役の設定がいかにもアカデミー会員好みだが、
今後も 『ドッグヴィル』 や 『MIRACLE』 などと話題作が続き、
その勢いもプラスして受賞しておかしくない。マーシャ・ゲイ・ハーデンと同い年の44歳、今がもらい時でもある。
ライバルは強敵若手スターのゼルウィガーと、批評家受けバッチリの実力派アグダシュルー。
【全米批評家協会賞、ナショナル・ボード・オブ・レビュー受賞】
Marcia Gay Harden : MYSTIC RIVER / 『ミスティック・リバー』
3年前の大穴オスカー女優、ゲイ・ハーデンが今年も突然ノミネート。映画の評価は高いが、彼女自身は前哨戦でノーマークだ。
だが、映画を観ればノミネートは当然と分かる。ティム・ロビンス演じるトラウマを持ったデイブの妻を演じ、
夫を信じきれない自分に苦しみながら迷う演技はさすが。
ラストの彼女の表情が、この映画のテーマを象徴していて、オスカーの名は伊達じゃない。
もちろん再び受賞してもおかしくない演技だが、同部門での受賞歴が邪魔する可能性は大だ。
それとも、今年もまた突然ノミネートされてそのまま受賞しちゃうとか。
もしやアカデミー会員好みの女優?
これから常連になっていきそうな予感がします。
ちなみに、同じくショーン・ペンの妻役のローラ・リニーも十分ノミネートに値する演技。
ノミネートされないのが残念!
# オスカーノミネート歴 '00 『ポロック 二人だけのアトリエ』 (助演・受賞)
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Holly Hunter : THIRTEEN
/ 『サーティーン あの頃欲しかった愛のこと』
『ピアノ・レッスン』 で受賞してから10年、いつの間にか45歳になっていたホリー・ハンターは、13歳の主人公の少女の母親役でノミネート。
前哨戦で名前が全然挙がっていないが、「今年これ以上の演技は見られない」 とまで評された演技だ。
俳優組合賞で主演女優賞の候補に挙がったエヴァン・レイチェル・ウッドがオスカーでは候補漏れとなったので、
彼女への票がハンターに集中する可能性も、ないことはない。
ハリウッドでのキャリアと実力、同業者からの評価はこの部門では随一なので、
獲っても誰もが納得するはず。
まぁ主演獲ってるんだから、今更助演はいいでしょうという声も多そう。
なんせ 『ピアノ・レッスン』 の演技は強烈で素晴らしかった。
今年はとりあえずゲイ・ハーデンと二人、余裕の受賞済みで高みの見物といきますか。
# オスカーノミネート歴 '87 『ブロードキャスト・ニュース』 (主演)
'93 『ピアノ・レッスン』 (主演・受賞)
'93 『ザ・ファーム 法律事務所』 (助演)
Renée Zellweger : COLD MOUNTAIN / 『コールド マウンテン』
ニコール・キッドマンとレニー・ゼルウィガー、2年連続で共にオスカー候補となった二人(そしてキッドマンが一足先にオスカーをゲット)が共演した 『コールドマウンテン』。
キッドマンのノミネートはならなかったが、ゼルウィガーはこれで3年連続ノミネートの快挙だ。
去年の 『シカゴ』 の変貌ぶりで 「どんな役でもこなします」 女優になった彼女だが、
今年もまた、戦地に赴いた夫をひたすら待つ都会育ちの主人公(キッドマン)を助ける、
力強く生きるたくましい南部女性というこれまでにない役を熱演。
勢いバッチリの主演級女優が助演でノミネートされれば派手さではピカイチ(去年のゼタ・ジョーンズがまさにそれ)だし、
またまた違う顔を見せてくれたゼルウィガーの場合は実力もあるので、ゴールデングローブ受賞でそのまんまオスカーに王手だ。
ただし今年も周りのノミニーがつわものぞろいなので、本命!とまで言い切れないのがイタイ。
この部門では一際最年少(34歳)だし、どうせなら主演で獲らせてあげたい?
【ゴールデングローブ賞、ブロードキャスト批評家協会賞、全米俳優組合協会賞受賞】
# オスカーノミネート歴 '01 『ブリジット・ジョーンズの日記』 (主演)
'02 『シカゴ』 (主演)
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