77回/2004年度  アカデミー賞ノミネーション

■ 作品賞   ■ 監督賞   ■ 主演男優賞   ■ 主演女優賞   ■ 助演男優賞   ■ 助演女優賞

           

作品賞

『アビエイター』 V.S. 『サイドウェイ』(略してAVS)となるであろう作品賞。
オスカーなんだから、批評家ウケはバッチリの後者より、
ストーリーもスケールもハリウッドな前者が強いはず。
アンチ・ミラマックス票が若干気になりますが。





THE AVIATOR / 『アビエイター』

 映画と飛行機に生きた大富豪、ハワード・ヒューズの生涯を描いた 『アビエイター』 が、今年の最多ノミネート作品。 監督スコセッシ、主演ディカプリオというと、2年前にオスカーレースをわかせたはいいものの無冠だった 『ギャング・オブ・ニューヨーク』 を思い出すが、 それよりは批評家受けも良く、スコセッシに付き物のバイオレンスもゼロ。 キャサリン・ヘップバーン、エバ・ガードナーといった実在の女優たちも話に登場して、 キャストも豪華。まさにアカデミー賞な映画だ。 前哨戦の勝ち星こそ少ないものの、それでもGGにプロデューサー組合賞と、かなりの主要戦を勝ち取ってるので、 勢いから言えば本命。 後はハリウッド内の 『サイドウェイ』 派にどれだけ対抗できるかが、最後の難関。

作品、監督、主演男優、助演男優、助演女優、脚本、編集、撮影、
衣装デザイン、美術、音響効果賞、計11部門ノミネート

【ゴールデングローブ賞、製作者組合賞受賞】




FINDING NEVERLAND / 『ネバーランド』

 名作 『ピーター・パン』 を、作者のJ・M・バリはどうやって生み出したか。 その想像力の源を描いた 『ネバーランド』 が、地味ながらも好評を得てノミネートされた。 監督は、ハル・ベリーがオスカーを獲得した 『チョコレート』 のマーク・フォスターだが、 残念ながら監督賞にはノミネートされず。 ということで作品賞受賞の確率はぐーんと下がってしまいました。 まぁ、ジョニー・デップにケイト・ウィンスレット、ダスティン・ホフマン、ジュリー・クリスティーと、 キャストのネームバリューはあれども、 テーマや作品のスケールはオスカー向きではないのも確か。 いい映画だけど、今年の5作品の中では一番の大穴。


作品、主演男優、脚色、編集、作曲、衣装デザイン、美術賞、計7部門ノミネート

【ナショナル・ボード・オブ・レビュー受賞】




MILLION DOLLAR BABY / 『ミリオンダラー・ベイビー』

 『ミスティック・リバー』 で去年のオスカーレースを賑わわせたイーストウッドが、何と2年連続でレースに参戦。 なかなか監督作品が2年連続でここまで評価される監督もいないのではなかろうか。 ウェイトレスだったヒラリー・スワンクが女ボクサーになろうとすべく、 イーストウッド演じるコーチのもとで強くなっていくという、 何だか話だけ聞くとあまり面白くなさそうな 『ミリオンダラー・ベイビー』 。 しまいにゃスワンクとイーストウッドが恋に落ちそうな話だが、 そこはイーストウッドの演出でカバーしてるはず。 7部門のノミネートは全て主要部門だし、作品そのものへの評価はかなり高いと思われる。 去年の 『ミスティック〜』 への同情票も集まるかもしれない。 でも、去年の 『ミスティック〜』 みたいに話が暗くて、本命に栄冠を譲る可能性も高い。 演技部門も評価高いし、そっちで獲るか?


作品、監督、主演男優、主演女優、助演男優、脚色、編集賞、
計7部門ノミネート

【全米批評家協会賞受賞】



RAY / 『RAY/レイ』

 昨年亡くなっ伝説のソウル・シンガー、レイ・チャールズを描いた、その名も 『RAY/レイ』。 作品そのものというより、驚異的な演技を見せたと大評判のジェイミー・フォックスに注目が集まっているが、 まぁ、その勢いで作品賞もろもろにノミネート。 勿論、映画の評価も高いが、前哨戦は鳴かず飛ばずで、 同じ伝記モノの 『アビエイター』 と比べると受賞率は低い。 見応えはあるけど、傑作かって言うとね。 スケールが大きいわけではないし、 やっぱり 『RAY/レイ』 は主演男優賞でしょう。 それとも、レイ・チャールズがグラミー賞を受賞した流れでオスカーまで受賞?


作品、監督、主演男優、編集、衣装デザイン、音響効果賞、計6部門ノミネート






SIDEWAYS / 『サイドウェイ』

   ワイナリーの旅に出た2人の男と、旅で出会った2人の女性の交流を、アバウト・シュミット』 のアレクサンダー・ペインが温かく描いた 『サイドウェイ』。 ていうか、この前哨戦の強さ。これだけ批評家から愛される作品も珍しい。 だが、蓋を開けてみるとポール・ジアマッティが主演男優賞候補落ち。 ノミネート数も5部門と、必ずしも批評家ウケがオスカーに直結しないことを改めて実証してしまった。 他の4作品に比べると俳優のネームバリューに落ちるし、 地味すぎてオスカー向きとはとても言えない。 ジアマッティは落選したものの、助演部門の2人は有力候補だし、 獲るとしたら演技部門か脚本。 まぁ、これだけ前哨戦を制覇しただけでよしとしよう。


作品、監督、助演男優、助演女優、脚色賞、計5部門ノミネート

【ゴールデングローブ賞、ロサンゼルス批評家協会賞、ニューヨーク批評家協会賞、
ボストン批評家協会賞、シカゴ批評家協会賞、フロリダ批評家協会賞、
ブロードキャスト批評家協会賞受賞】


期待 : 『アビエイター』
予想 : 『アビエイター』

そもそも観てないからわかんないだけどさ。
『RAY/レイ』 と 『ネバーランド』 はオスカー向きじゃないし、
候補部門数からしても今年は 『アビエイター』 の年では。