|
|
Don Cheadle : HOTEL RWANDA / 『ホテル・ルワンダ』
最近では 『オーシャンズ12』 にも出てたバイ・プレーヤーのドン・チードル。
オスカー関連では 『トラフィック』 での名演が忘れ難いが、
とうとう主演作でアカデミー賞に初ノミネート。
演じるのは、3ヶ月で100万人近くが死亡したと言われるルワンダの大虐殺で1000人以上の命を救ったと言われる、
実在のホテルオーナーだ。
言ってみれば、ルワンダの 『シンドラーのリスト』 なわけで、
ネタ的にもアカデミー賞好みだが、
今年は実在の人物ばっかりがノミネートされてるので新鮮味がなくなってしまった。
同じ黒人俳優のジェイミー・フォックスにばっかり注目が行ってるし、
前哨戦もフォックスばっか。
天邪鬼な会員が、フォックスが本命過ぎるからチードルへ、なんて流れもそんなに期待できない。
今回のノミネートをきっかけに改めて演技派の位置づけが与えられそうだし、
デップやディカプリオと同じく、今後の受賞への地固め?
Johnny Depp : FINDING NEVERLAND / 『ネバーランド』
去年のノミネートで一躍オスカーの常連になりそうな気配のデップだったが、
予想通り今年もノミネートだ。
ピーター・パンの作者、J・M・バリを演じる今回は、
『パイレーツ・オブ・カリビアン』 とは違って、
物静かで決してエキセントリックではなく、
静かに成りきり演技を披露。
まぁこれくらいの演技、デップの実力なら当然っちゃぁ当然なんだが、
やっぱりさりげなさでは右に出る者はいません。
さりげない分、役柄のインパクトとしてはあまり強くないので、
受賞につながる率は低いが。
まだまだ今後も話題作に出演してノミネートされそうだし、
今回も授賞式の華として登場するだけの可能性が高い。
しかし、このメンツではイーストウッドの次に年長とは、
月日が経つのは早いなぁ。
そして、それでもセクシーさを失わないデップって、やっぱりすごい。
# オスカーノミネート歴 '03 『パイレーツ・オブ・カリビアン 呪われた海賊たち』
(主演)
Leonardo DiCaprio : THE AVIATOR / 『アビエイター』
『タイタニック』 でノミネートされずに涙を飲んでから早7年、『ギャング・オブ・ニューヨーク』 でダニエル・デイ・ルイスにばかり注目が行ってから2年。
とうとう30歳でディカプリオも主演男優賞ノミネートをゲットした。
『ギャング〜』 に続いてスコセッシのフィルムで演じるのは、かの大富豪、ハワード・ヒューズ。
ディカプリオの自由でエネルギッシュな演技は、ハリウッド黄金期を駆け抜けたヒューズの像にピッタリだ。
作品の評価も高く、ゴールデングローブ賞受賞の勢いにも乗ってオスカー受賞と行きたいところだが、
今回はフォックスという強敵がいるし、
今回ノミネートされたことで再びアカデミーにも評価されていくだろうから、
受賞は持ち越しというところか。
次の映画もスコセッシだし(個人的にはスコセッシの映画ばかりじゃなくて色々な映画に出て欲しいけど)。
ちなみに、30歳とはいえ、今年のノミニーの中では最年少。
やはり主演男優賞の年齢の壁は高い。
【ゴールデングローブ賞受賞】
# オスカーノミネート歴 '93 『ギルバート・グレイプ』 (助演)
|
|
|
Clint Eastwood : MILLION DOLLAR BABY
/ 『ミリオンダラー・ベイビー』
この部門での前哨戦ではほとんどノーマークだったイーストウッドが、全米批評家協会賞の次点候補から突然オスカーにノミネートされた。
ベテランとは言え、今年のサプライズの一つだ。
演じるのは、スワンク演じる女ボクサーをトレーニングするコーチ。
近年ではほとんど自分の監督作品にしか俳優としては出ていなかったが、その演技力は評価されて然るべきもの。
去年絶賛された『ミスティック・リバー』 には出演していなかったから、
自ら主演した 『ミリオンダラー・ベイビー』 も評価されて、しかも作品・監督・主演でノミネートされたとなれば嬉しいはず。
12年前の 『許されざる者』 を彷彿させるシチュエーションだ。
ディカプリオ、デップ、フォックスと言った強力な面々と比べても、キャリアや同業者からのリスペクトは抜きん出ているので、
その功労賞的意味合いからしても、俳優として再度受賞させてあげようという計らいがあってもおかしくないところだ。
ジアマッティがいなくなった今、フォックスの最大のライバルかも。
# オスカーノミネート歴 '92 『許されざる者』 (作品、監督、主演)
'03 『ミスティック・リバー』 (作品、監督)
Jamie Foxx : RAY / 『RAY/レイ』
これまでは 『エニイ・ギブン・サンデー』、『アリ』 ぐらいしか目ぼしい映画には出演していなかったが、
今年は 『コラテラル』 と 『RAY/レイ』 の2本で一気に花咲いたジェイミー・フォックス。
『RAY/レイ』 では、故レイ・チャールズ本人に、自分を演じるならフォックスがいいと言われ、
見事その期待に応え、批評家からは大絶賛。
誰もが知ってるレイ・チャールズになりきった演技力は評価されやすいというか、
実在の盲目のミュージシャンで、薬物中毒、波乱万丈の人生と、
オスカー受賞の要素が詰まった役柄は得である(もちろん上手いが)。
唯一の対抗馬、ポール・ジアマッティも落選し、
あれよあれよと今年の大本命だ。
更に 『RAY/レイ』 の勢いに乗って、助演男優賞にもノミネート。
黒人初のダブルノミネートの快挙を成し遂げた。
これだけ前哨戦を制覇して受賞しなかったら、
黒人団体がだまっちゃいない。
主要6部門30候補中、最も受賞確実なノミニーと言えよう。
逆に本命過ぎて嫌われたりしてもおかしくないくらいだ。
4年前からSAG受賞者はオスカーを受賞していないというデータも気になるところ。
【ゴールデングローブ賞、俳優組合協会賞、ナショナル・ボード・オブ・レビュー、
全米批評家協会賞、フロリダ批評家協会賞、ボストン批評家協会賞、
ブロードキャスト批評家協会賞受賞】
|
|