第78回/2005年度アカデミー賞ノミネーション

 

■ 作品賞     ■ 監督賞     ■ 主演男優賞     ■ 主演女優賞     ■ 助演男優賞     ■ 助演女優賞

 

           

 

助演女優賞

 

助演男優賞と同じく混戦の助演女優賞。

GGとSAGでトップに出たワイズか、

作品の勢いでウィリアムズか。

キーナーとか、今年が獲り頃の気がします。

 

 

 

 

Amy Adams : JUNEBUG /

 

 『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』 のディカプリオの相手役で光っていたエイミー・アダムスが、 今度は大きいお腹を抱えて熱演し、サンダンス映画祭では審査員賞を受賞。 そのまま批評家に愛され続け、作品は超インディ系ながらもオスカーにノミネートされたが、 他に大して代表作がなく、知名度としてはかなり落ちてしまうし、そもそも映画自体を観てる会員がどれだけいるのか微妙なところなので、 ノミネートされただけでも十分的な立場だ。受賞まで行く可能性はなかなか低い。 とは言え、新人にも比較的優しかった時代もある部門だとか何とか言っちゃえば、ありえない話ではないかもしれない。 てか、調べても年齢が分かんないんですけど。

 

【全米批評家協会賞、ブロードキャスト批評家協会賞受賞】

 

 

 

Catherine Keener : CAPOTE / 『カポーティ』

 

  『ザ・インタープリター』、『THE BALLAD OF JACK AND ROSE』、 『THE 40-YEAR-OLD VERGIN』、『カポーティ』 と、2005年は4本の映画に出演していて、45歳にして絶好調のキャサリン・キーナー。 それだけの勢いと彼女の演技力があれば、ノミネートされるのはある意味当然かもしれない。 『カポーティ』 で演じるのは、トルーマン・カポーティと幼なじみで、 彼の 『冷血』 の取材に同行した作家のハーパー・リー(グレゴリー・ペックの 『アラバマ物語』 の原作者)。 GG賞にはノミネートされなかったが、SAGの候補に挙がり、そのままオスカーノミネートだ。 『マルコヴィッチの穴』 で候補になった頃はまだ名前が知られていなかったけど、 あれから6年。そろそろあげてもいいと会員たちも思ってるはず。『THE 40-YEAR-OLD VERGIN』 は2005年のサプライズ・ヒットだったので、 それも加味して投票する会員も多いのでは。最近は美貌を隠したメイクで顔を変えて受賞した例が多いし(N・キッドマン、C・セロン)、 そもそも主要6部門の中では混戦が予想される部門だ。受賞の可能性も十分。

 

【ロサンゼルス批評家協会賞、ボストン批評家協会賞受賞】

 

# オスカーノミネート歴    '99 『マルコヴィッチの穴』 (助演)

 

 

 

Frances McDormand : NORTH COUNTRY / 『スタンドアップ』

 

  『ファーゴ』 で受賞してからそろそろ10年。その間に演技派としての地位はしっかり確立したマクドーマンドだが、 恐らく彼女の出演がなかったら 『スタンドアップ』 の評価はもっと低かったんじゃないだろうか。 とりあえず、彼女が出演していれば演技の上で心配は要らなくなる女優の一人ですからね。 恐らく彼女の出演がなかったら、セロンのノミネートすらなかったんじゃないだろうか。 個人的にはもっと大きな役でノミネートされるべき女優だと思うのだが(あまり演技的な出番はないとか)、 まぁ仕方がない。この年齢の女優が主役をはれる映画なんて数少ないのだから。 気づけば、今年ノミネートされた女優のなかではジュディ・デンチに続く最年長2番手の48歳と既にベテランの域だが、 この部門で唯一受賞歴のある女優だし、そんな女優にこんな役(と映画)で2度目の受賞なんて、基本的にはありえない話。 それにしても、マクドーマンドにピート・ポスルスウェイトが出てるにもかかわらず酷評されてる 『イーオン・フラックス』 って、 一体どれくらいつまらないんだろうか。ちょっと興味アリ。

 

# オスカーノミネート歴    '88 『ミシシッピー・バーニング』 (助演)

'96 『ファーゴ』 (主演)

'00 『あの頃ペニー・レインと』 (助演)

 

 

 

 

Rachel Weisz : THE CONSTANT GARDENER / 『ナイロビの蜂』

 

  エキゾチックな風貌が魅力的な 『ハムナプトラ』 シリーズのヒロイン、レイチェル・ワイズがノミネートされた。 2005年は 『コンスタンティン』 に出演したりと、決して演技派のイメージはない彼女のノミネート作品は、 『シティ・オブ・ゴッド』 が絶賛されたフェルナンド・メイレレスの監督作のサスペンス。 主人公(レイフ・ファインズ)の妻で、国の裏取引を告発しようとする市民活動家を演じるも、 途中で殺されてしまう役のため、出番はあまり多くないとの話だが、それでもノミネートされるほどの鮮烈な印象を残しているとのウワサも。 前哨戦後半ではGGとSAGという最重要な賞を両方とも受賞し、あっという間に本命に躍り出た。 ただし夏公開というハンデや、他の部門と違ってライバルもあなどれないこともあって、手放しで本命とは言えない。 私生活では次回作の監督ダーレン・アロノフスキー(『レクイエム・フォー・ドリーム』)との子供を妊娠して絶好調なので、 キャリアの方でも絶好調と行けるか?

 

【ゴールデングローブ賞、全米俳優組合協会賞受賞】

 

 

 

Michelle Williams : BROKEBACK MOUNTAIN

/ 『ブロークバック・マウンテン』

 

  TVドラマ 『ドーソンズ・クリーク』 で名は売れ出たものの、 映画界ではあまり活躍の見られなかったミシェル・ウィリアムズだが、『ブロークバック〜』 で主人公ヒース・レジャーの妻を演じ、 そのレジャーと結婚して現在1児の母、さらに夫婦揃ってオスカーノミネートと、 25歳にして突然順風満帆な人生な点では、同じく私生活が絶好調のワイズにも負けていない。 知名度やキャリアではあまり目立たない存在だが、 幸せな家庭を持っているはずだったのに、夫が本当に愛しているのは男だと知って動揺する役は、 女性アカデミー会員のハートを掴みやすいかもしれないし、作品の勢いがここまで及ぶ可能性も、ないことはない。 助演女優賞候補になって女優として注目を集め、そのまま受賞というパターンも以前は結構あったので(ミラ・ソルヴィーノやアンジェリーナ・ジョリーなど)、 可能性は十分。夫レジャーと共にオスカー像を持ち帰ることは果たしてできるか?

 

【ブロードキャスト批評家協会賞受賞】

 

 

 

期待 : キャサリン・キーナー

予想 : キャサリン・キーナー

 

世間の予想はレイチェル・ワイズかもしれませんが、

ここは敢えてキーナーで。

どっちが取っても面白いけど。