第82回/2009年度アカデミー賞ノミネーション
■ 作品賞 ■ 監督賞 ■ 主演男優賞 ■ 主演女優賞 ■ 助演男優賞 ■ 助演女優賞
主演男優賞
コリン・ファースの初ノミネートも嬉しい限りだけど、
今年のポイントは、ジェフ・ブリッジスが悲願の初受賞なるか。
ダークホースは作品の強さでジェレミー・レナーだが、
無冠のベテランを差し置いてのレナーの受賞はないでしょう。
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Jeff Bridges : CRAZY HEART / 『クレイジー・ハート』
とうとうジェフ・ブリッジスの手にオスカーが! って、まだ決まったわけじゃないけど、 SAG、GG、ブロードキャストを制したんだから、これは間違いないと思う。 キャリア、実力ともにオスカーを受賞するのに値するし、何たって初ノミネートから38年。 本人はそう思ってなくても 「悲願の受賞」 というシナリオである。 今年は助演じゃなくて主演っていうのも嬉しいじゃないか。演じるのは、酒に溺れて落ちぶれてしまったものの、 1人の女性(同じくオスカー候補になったマギー・ギレンホール)との出会いをきっかけに復活していくカントリー歌手で、 劇中では歌も披露している。 個人的には 『シービスケット』 でなぜノミネートされなかったのか不思議でしょうがなかったので、 是非とも今年は受賞してほしい。いやぁ、受賞したら本当に嬉しいなぁ。
【全米俳優組合賞、ゴールデングローブ賞、ブロードキャスト批評家協会賞、 ロサンゼルス批評家協会賞受賞】
# オスカーノミネート歴 '71 『ラスト・ショー』 (助演) '74 『サンダーボルト』 (助演) '84 『スターマン 愛・宇宙はるかに』 (主演) '00 『ザ・コンテンダー』 (助演)
George Clooney : UP IN THE AIR / 『マイレージ、マイライフ』
これで3度目のオスカー候補のジョージ・クルーニー。 この勢いでいくと、もしかして2度目のオスカー、それも主演での受賞もあり得るんじゃないかという気がしてくるが、 『フィクサー』 を観た限りでは、そこまで演技力ある? という気もしている。まぁ、ハリウッドで最も人気があってホットなミドル・エイジということで、 それも加味されているとは思うけど。前哨戦前半では勢いがあったものの、後半ではジェフ・ブリッジスに持っていかれている感があるし、 過去に受賞していることを考えると、今年は2度目の受賞はお預けといったところか。
【ニューヨーク批評家協会賞、ワシントンDC批評家協会賞、 ナショナル・ボード・オブ・レビュー受賞】
# オスカーノミネート歴 '05 『シリアナ』 (助演) '05 『グッドナイト&グッドラック』 (監督、脚本) '07 『フィクサー』 (主演)
Colin Firth : A SINGLE MAN / 『シングルマン』
コリン・ファースが! とうとうオスカー候補に! もうそれだけで満足になってしまう自分。 別に好きな俳優というわけではないのだが、彼のような(どちらかというと)脇役が多い実力派俳優が主演部門でオスカー候補になると嬉しくなってしまう。 映画自体も、元グッチのデザイナーであるトム・フォードの初長編監督作で絶賛されているとか、 惜しくもオスカー候補にならなかったジュリアン・ムーアの演技がいいだとか、『アバウト・ア・ボーイ』 の少年、ニコラス・ホルトが成長した姿を見せているなどなど、 色々と楽しみな作品だ。受賞するかしないかはこの際置いておいて(受賞するのは恐らくジェフ・ブリッジスなので)、 早く日本公開が決定しないかなぁ。
【サンフランシスコ批評家協会賞、ヴェネチア映画祭主演男優賞受賞】
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Morgan Freeman : INVICTUS / 『インビクタス/負けざる者たち』
モーガン・フリーマンが、クリント・イーストウッド監督作品で、実在の人物、 それもネルソン・マンデラを演じる。これだけで既にオスカー候補の資格アリと言った感があるが、 確かに映画は良かったし、マンデラにも似てたけど、肝心の演技は 「いつも通り上手い」 くらいで、それほどでもなかった。 というわけで、若干 「5人の枠埋め」 的な候補入りな気がしないでもない。それにしても、 若い女性と同乗していた車で事故を起こしたり、それが原因で奥さんとは離婚したりと、最近はプライベートで 「いい人」 から遠い話題が多いのに、 それでもこういう役を演じられるあたり、フリーマンのキャリアと実力のなせる業なのだろうか。
【ナショナル・ボード・オブ・レビュー受賞】
# オスカーノミネート歴 '87 『N.Y.ストリート・スマート』 (助演) '89 『ドライビング・ミス・デイジー』 (主演) '94 『ショーシャンクの空に』 (主演) '04 『ミリオンダラー・ベイビー』 (助演)
Jeremy Renner : THE HURT LOCKER / 『ハート・ロッカー』
『ハート・ロッカー』 が注目を浴びるまではジェレミー・レナーという名前を知らなかったので、 てっきり若手なのかと思っていたら既に39歳だった。そうか。キャリアはそこそこ長いのか。 しかし、レナー以外は中堅以上のキャリアを持つ俳優が並んだ今年の主演男優賞候補の中では最もフレッシュなノミニーということになり、 やはり受賞するには知名度がイマイチな感が拭えない。 なにせ、オスカー主演男優賞は 「そこそこのキャリア」 の俳優の手にはなかなか渡らないのだ(例外はエイドリアン・ブロディとジェイミー・フォックスくらいだろうか)。 作品の勢いでノミネートを勝ち取った感もあるレナーには敷居が高いと考えるのが妥当なところでは。
【全米批評家協会賞、ボストン批評家協会賞、シカゴ批評家協会賞、 ナショナル・ボード・オブ・レビュー新人賞受賞】
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期待 : ジェフ・ブリッジス、コリン・ファース 予想 : ジェフ・ブリッジス |
ジェフもコリンも、どっちが受賞しても嬉しいけど、
やはりここは前哨戦後半を突っ走ったジェフ・ブリッジスに、
38年目の正直で受賞してほしいと思うのです。