第83回/2010年度アカデミー賞ノミネーション

 

■ 作品賞     ■ 監督賞     ■ 主演男優賞     ■ 主演女優賞     ■ 助演男優賞     ■ 助演女優賞

 

 

主演女優賞

 

将来が有望視される20歳の若手から、今のハリウッドを背負う演技派若手女優たち、

そしてキャリアと演技力ともにハリウッドを代表する40代、50代のベテラン女優と、

ハリウッドのお祭りに相応しい面々がノミネートされた主演女優賞。

誰が受賞しても華やかなステージになりそうです。

 

ゴールデングローブ賞

ニューヨーク批評家協会賞

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

NBOR ブレイクスルー演技賞

シカゴ批評家協会 新人俳優賞

ワシントンDC批評家協会賞

サンディエゴ批評家協会賞

トロント批評家協会賞

 

 

 

 

 

 

全米俳優組合賞

ゴールデングローブ賞

ブロードキャスト批評家協会賞

シカゴ批評家協会賞

ボストン批評家協会賞

ラスベガス批評家協会賞

ダラス−フォートワース協会賞

インディアナ批評家協会賞

サウスイースタン批評家協会賞

ヒューストン批評家協会賞

英国アカデミー賞

サンフランシスコ批評家協会賞

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Annette Bening : THE KIDS ARE ALL RIGHT

/ 『キッズ・オールライト』

 

 前2回のオスカー候補では本命と言われながらも2回ともヒラリー・スワンクに敗れて以降、悲運のノミネート止まり女優となりつつあるベニング姐さん。今回も、対象作の 『キッズ・オールライト』 の演技は昨年のサンダンス映画祭の時から絶賛されていたものの、『ブラック・スワン』 のナタリー・ポートマンが話題になってからは二番手に落ち着いてしまい、またもや受賞できなさそうな雰囲気だ。今のところ、寡作ながらもコンスタントに良作に出演してノミネートされているので、是非ともいつかは受賞してほしい。一応、本命ポートマンの対抗馬。

 

# オスカーノミネート歴    '90 『グリフターズ/詐欺師たち』 (助演)

'99 『アメリカン・ビューティー』 (主演)

'04 『華麗なる恋の舞台で』 (主演)

 

 

 

Nicole Kidman : RABBIT HOLE / 『ラビット・ホール』

 

 『めぐりあう時間たち』 でオスカーを受賞した以降は出演作も演技もパッとしない時期が続き、ギャラと興行収入の差し引きで一番割に合わない女優に選ばれたり、ボトックス疑惑やら整形疑惑やらで叩かれたりと、キャリアが半ば沈みかけていたキッドマン。本人も焦り始め、エージェントを変えて出演作選びを慎重にするようになったという話だが、それが功を奏したのか、3度目のノミネートを勝ち取った。『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』 のジョン・キャメロン・ミッチェル監督の新作でキッドマンが演じるのは、息子を事故で亡くして人生が一変してしまう夫婦(夫役はアーロン・エッカート)。この手のストーリーは演じる俳優の実力がないと成り立たないことが多いので、キッドマンの演技派としての実力が発揮されているのではないかと思われる。キッドマン的にはノミネートされただけでキャリア復活の弾みになるはずなので、今回は主演女優部門で唯一のオスカー保持者として受賞争いを余裕の見物といったところか。

 

# オスカーノミネート歴    '01 『ムーラン・ルージュ』 (主演)

'02 『めぐりあう時間たち』 (主演)

 

 

 

Jennifer Lawrence : WINTERS' BONE / 『ウィンターズ・ボーン』

 

 17歳で受けた 『あの日、欲望の大地で』 のオーディションでは、監督に 「メリル・ストリープの再来」 と言わしめたジェニファー・ローレンス。その評判に違わぬ演技力で、若干20歳にして初のオスカーノミネートだ(しかも主演)。出演作さえ選べば近い将来のオスカー受賞もありえそうな逸材なので、本当にメリル・ストリープの再来になるかもしれない。ただし、主演女優賞は若手に優しい部門とはいっても20歳はさすがに若いので(最年少の主演女優賞受賞は1986年に21歳で受賞したマーリー・マトリン)、今回はオスカー候補常連への第一歩ということでよさそう。ちなみに、先日行われたゴールデングローブ賞や全米俳優組合賞の授賞式では20歳とは思えないほどの濃いメイクと堂々としたオーラで、既に大女優の風格すら漂いつつあった。もう初々しさなんて全然ないのがすごいというか、怖いというか。

 

 

 

Natalie Portman : BLACK SWAN / 『ブラック・スワン』

 

 『レスラー』 のダレン・アロノフスキー監督の最新作、『ブラック・スワン』 のヒロインを演じたナタリー・ポートマンが今年の主演女優賞の大本命だ。ポートマンが演じるのは、バレエ 「白鳥の湖」 で主役の白鳥を演じることになった主人公のニナ。優等生バレリーナのニナにとって純粋の象徴でもある白鳥を演じることは難しくなかったが、同時に邪悪な黒鳥(ブラック・スワン)を演じなければならず、そのプレッシャーから次第に追い詰められたニナの精神は破綻していき、最後には狂気へと変わっていく・・・という、『レクイエム・フォー・ドリーム』 を思い出させるような心理劇の中で、ポートマンは出ずっぱりで人間の二面性を見事に演じているという噂。主要な前哨戦は制覇し、私生活では本作の振付師と結婚して妊娠、ゴールデングローブ賞の授賞式では 「撮影中は(彼と)寝てたんだから」 とブッとびスピーチと、受賞に向けて怖いものナシ状態である。気になるのは、幸せ絶頂なポートマンが受賞したら 「オスカー主演女優賞の呪い(受賞時の夫、もしくは彼と8割以上の確立で別れるというジンクス)」 がもれなく振りかかりそうということ。数年後にはシングルマザーになってないといいけれど・・・

 

# オスカーノミネート歴    '04 『クローサー』 (助演)

 

 

 

Michelle Williams : BLUE VALENTINE / 『ブルーバレンタイン』

 

 前哨戦で名前が挙がったレスリー・マンヴィルやアン・ハサウェイ、ノオミ・ラパスらに代わって5番目の椅子に滑り込んだミシェル・ウィリアムズ。個人的には一度もいいと思ったことがないし、顔も好きじゃない女優なのだが、『ブロークバック・マウンテン』 でオスカー候補になってからは着々と順調なキャリアを築いており、2008年の 『WENDY AND LUCY』 で主演女優賞候補が期待されていたのも記憶に新しい。そして昨年は大ヒットした 『シャッター アイランド』 に出演し、本作でオスカーノミネートと、ますます順調なキャリア。できれば、相手役のライアン・ゴズリングもノミネートされてほしかったなぁ。

 

# オスカーノミネート歴    '05 『ブロークバック・マウンテン』 (助演)

 

 

 

 

期待 : アネット・ベニング

予想 : ナタリー・ポートマン

 

個人的にはベテラン演技派女優に受賞してほしいところだが、

前哨戦の強さや前評判からはポートマンに軍配。

というか、この2人以外の受賞はありえないと思います。