第84回/2011年度アカデミー賞ノミネーション

 

■ 作品賞     ■ 監督賞     ■ 主演男優賞     ■ 主演女優賞     ■ 助演男優賞     ■ 助演女優賞

 

 

助演男優賞

 

82歳が2人に、71歳、51歳と、例年になく年寄りベテラン勢が揃った助演男優賞だが、

前哨戦でトップを走っていたアルバート・ブルックスがまさかの候補落ちになったので、

オスカー像が渡るのはクリストファー・プラマーでほぼ決まり。

主要6部門でも最も鉄板の予想です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

全米俳優組合賞

ゴールデングローブ賞

ブロードキャスト批評家協会賞

NBOR

ロサンゼルス批評家協会賞

ダラス−フォートワース協会賞

サウスイースタン批評家協会賞

トロント批評家協会賞

オンライン批評家協会賞

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Kenneth Branagh : MY WEEK WITH MARILYN

/ 『マリリン 7日間の恋』

 

 受賞するのはクリストファー・プラマーなので、他のノミニーに関して長々と書いても無駄というものだが、一応書いておくと、去年はアメコミ映画 『マイティー・ソー』 の監督も好評だったケネス・ブラナーが、故ローレンス・オリヴィエを演じてオスカーにノミネート。実在の名優を演じてオスカーにノミネートと言えば、最近では 『アビエイター』 でキャサリン・ヘップバーンを演じて見事にオスカーを受賞したケイト・ブランシェットが記憶に新しい。まぁ、今回はクリストファー・プラマーが受賞するので、そんな記憶もどうでもいいのだが。

 

# オスカーノミネート歴    '89 『ヘンリー五世』 (監督、主演)

'92 『SWAN SONG』 (短編実写映画)

'96 『ハムレット』 (脚色)

 

 

 

Jonah Hill : MONEYBALL / 『マネーボール』

 

 『40歳の童貞男』 や 『無ケーカクの命中男 ノックトアップ』、『スーパーバッド 童貞ウォーズ』 などのジャド・アパトゥ映画で人気のコメディ俳優、ジョナ・ヒル。そんな彼が、『マネーボール』 ではこれまでのイメージを覆すような落ち着いた演技を見せ、28歳にして堂々のオスカー候補だ。他のノミニーの高齢化が著しいうえに、畑はコメディ映画というバックグランドなので5人の中でかなり浮いているが、個人的には、ブラッド・ピットの演技もさることながら、ジョナ・ヒルのユニークな存在感があってこその映画でもあると思っているので、彼の候補入りは嬉しい。受賞するのはクリストファー・プラマーだけれども、これからのキャリアが勝負どころのジョナ・ヒルにとって、今回のオスカー候補は大きなものとなったはず。今後の出演作が楽しみだ。まぁ、しばらくは立て続けに得意のコメディが続くみたいだが。

 

 

 

Nick Nolte : WARRIOR /

 

 批評家協会賞ではほとんど名前が挙がらなかったのが、ブロードキャストとSAGで候補入りし、あれよあれよとオスカー候補となったニック・ノルティ。さすが、高齢者に優しい助演男優賞。ていうかニック・ノルティ、もう71歳になっていたとは。対象作の 『WARRIOR』 は、家族の葛藤を描きながらマーシャル・アールをフィーチャーしたスポーツ映画ということで、昨年の助演部門ダブル受賞となった 『ザ・ファイター』 を思わせる。ノルティが演じるのは、主人公のジョエル・エドガートン(『アニマル・キングダム』)とトム・ハーディ(『インセプション』)の演じる兄弟の父親。映画の評判はかなり良いようだし、ノルティのキャリアを考えると、功労賞的なサプライズがあってもおかしくないところだが、なんせ今年の助演男優賞は82歳のノミニーが2人もいる。残念だけど、今回も受賞はお預けということで。

 

# オスカーノミネート歴    '91 『サウス・キャロライナ 愛と追憶の彼方』

(主演)

'98 『白い刻印』 (主演)

 

 

 

Christopher Plummer : BEGINNERS / 『人生はビギナーズ』

 

 これまでアカデミー賞演技部門受賞者の最高齢記録は 『ドライビング MISS デイジー』 のジェシカ・タンディ(80歳)だったが、今年、その記録が82歳のクリストファー・プラマーによって塗り替えられることになる。ということで、祝! クリストファー・プラマー、アカデミー賞受賞! 思えば、トラップ大佐を演じた 『サウンド・オブ・ミュージック』 から45年の月日が流れようとしているが、その間、オスカー候補になったのがたったの2回というのもビックリだ。そんなプラマーが 『人生はビギナーズ』 で見せてくれる演技は、82歳とは思えない若々しさ。演じるのが、70代になってからゲイであるとカミングアウトして第二の人生を謳歌している役柄というのが多分にあるのだろうが、2年前にオスカー候補となった 『終着駅』 でのトルストイ役とは全く違う味わいを見せてくれていて、改めて名優であることを再認識した。いやぁ、受賞できてめでたいめでたい。

 

# オスカーノミネート歴    '09 『終着駅 トルストイ最後の旅』 (助演)

 

 

 

Max von Sydow : EXTREMELY LOUD & INCREDIBLY CLOSE

/ 『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』

 

 「受賞するのはクリストファー・プラマーなので、他のノミニーに関して長々と書いても無駄」 と言いきれないノミニーがいるとしたら、それはプラマーと同じく82歳の名優、マックス・フォン・シドーだろう。年齢だけでなくキャリア的にもプラマーに劣らないし、『ものすごくうるさくて〜』 では、物語の中盤で重要な役割を果たすキャラクターを軽妙ながら味わいのある演技で演じていて、本当に素晴らしかった。なので、敢えてプラマーの対抗馬を挙げるとしたらシドーになるだろうが、もはやシドーの名演とキャリアをもってしても止められないところまで、プラマーの勢いはきているというのが実際のところ。個人的に好きな俳優なので、受賞してほしいとは思うのだが、こればっかりはどうにも・・・・

 

# オスカーノミネート歴    '88 『ペレ』 (主演)

 

 

 

 

期待 : クリストファー・プラマー、マックス・フォン・シドー

予想 : クリストファー・プラマー

 

候補者5人のうち、3人の演技は既に観ていて、そのうち誰が受賞しても文句はない。

個人的には 『ものすごくうるさくて〜』 でとてもいい味を出していたマックス・フォン・シドーが本命だが、

まぁ、とにかく受賞するのはクリストファー・プラマーだ。