第86回/2013年度アカデミー賞ノミネーション
■ 作品賞 ■ 監督賞 ■ 主演男優賞 ■ 主演女優賞 ■ 助演男優賞 ■ 助演女優賞
助演男優賞
前哨戦で2番手だったジェームス・フランコ、
そして故人でのノミネートが期待されたジェームズ・ガンドルフィーニの名前が挙がらなかったので、
結果としてジャレッド・レトの一人勝ち状態に。
それにしても最年長がレトの42歳とは、高齢者に優しい助演男優賞にしては珍しい事態だ。
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全米俳優組合賞 ゴールデングローブ賞 ブロードキャスト批評家協会賞 ロサンゼルス批評家協会賞 ワシントンDC批評家協会賞 シカゴ批評家協会賞 ボストン批評家協会賞 デトロイト批評家協会賞 ラスベガス批評家協会賞 ダラス−フォートワース協会賞 サウスイースタン批評家協会賞 |
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Barkhad Abdi: CAPTAIN PHILLIPS / 『キャプテン・フィリップス』
本作が映画初出演どころか、本作に出ることが決定するまでは俳優として働く気が全くなかったソマリア出身の28歳、バーカッド・アブディが、前評判に違わずオスカーノミネート。確かに彼が演じたソマリア沖の海賊軍団のリーダーは、本作をただのヒーロー映画で終わらせない重要な役どころで、それまで演技経験がない素人とはとても思えない迫真の演技を見せてくれた。「演技経験のない素人が助演部門でオスカー受賞」 というシナリオはアカデミー賞が結構好きなパターンで、テイタム・オニール(第46回)、ハイン・S・ニョール(第57回)、アンナ・パキン(第66回)、ジェニファー・ハドソン(第79回)と、10年に1人は俳優デビュー作でのオスカー・ウィナーが助演部門で誕生しており、データ的にはそろそろ次の受賞者が誕生してもおかしくないが、残念ながら今年のジャレッド・レトの前では、そんなデータも虚しく見えてくる。まぁ、例え受賞しても本人のキャリアのプラスにならなさそうなので、受賞しない方が幸せな気もします。
Bradley Cooper : AMERICAN HUSTLE / 『アメリカン・ハッスル』
去年は 「ブラッドリー・クーパーがオスカーにノミネートされるなんて」 と驚いたものたが、今年は 「ブラッドリー・クーパーが2年連続でオスカーにノミネートされるなんて!」 という感じである。しかし、去年と同様、今年も映画を観ればノミネートも納得で、『アメリカン・ハッスル』 では主役4人の中で一番見せ場が多く、一番はっちゃけた演技を見せてくれた。残念ながら今年の助演男優賞はジャレッド・レトで決まりだが、この2年連続オスカーノミネートをきっかけに個性的実力派としてどんどん活躍していってほしい。
# オスカーノミネート歴 '12 『世界にひとつのプレイブック』 (主演)
Michael Fassbender : 12 YEARS A SLAVE / 『それでも夜は明ける』
2年前に 『SHAME』 で惜しくも主演男優賞ノミネートを逃したマイケル・ファスベンダーが、その 『SHAME』 のスティーブ・マクィーン監督と3度目のタッグを組み、晴れてオスカーノミネート。今回ファスベンダーが演じるのは、キウィテル・イジョフォー演じる主人公をはじめとした黒人奴隷たちをこれでもかと虐待する農園主。最近の助演男優賞は悪役やクセのあるキャラクターを演じて受賞するパターンが多いので、そういう意味では当てはまるのだが、大本命のジャレッド・レトのインパクトには負けそう。まずは初のオスカーノミネート、おめでとうということで。
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Jonah Hill : THE WOLF OF WALL STREET / 『ウルフ・オブ・ウォールストリート』
SAG、ゴールデングローブ、ブロードキャストの全てで候補入りしたダニエル・ブリュール(『ラッシュ プライドと友情』)がまさかの候補落ちとなり、代わりに3大前哨戦のどれにも名前が挙がらなかったジョナ・ヒルがノミネートされるとは、やっぱりアカデミー賞って分からない。今年の主要部門で一番のサプライズノミネートである。個人的にはダニエル・ブリュールに是非ともノミネートされてほしかったが、今更そんなことを言ってもしょうがない。実際、主役のディカプリオに負けないくらいのハイテンションで突っ走るヒルの演技を観ると、ディカプリオと共にダブルノミネートされたのも納得だ。これで2度目のオスカーノミネートとなり、オスカー常連になる日も近いか?
# オスカーノミネート歴 '11 『マネーボール』 (助演)
Jared Leto : DALLAS BUYERS CLUB / 『ダラス・バイヤーズクラブ』
マシュー・マコノヒーの激ヤセ役作りが話題になっている本作だが、レトもなかなかの激ヤセ変身ぶりで迫真の演技を見せており、文句ナシのオスカー初ノミネートを果たした。『チャプター27』 では30kgも太ってジョン・レノン暗殺犯を演じており、その爽やかなルックスの裏には想像もできないような役者魂が潜んでいるのだ。そして、この前哨戦の圧倒的な強さを見る限り、今年の助演男優賞はレト以外にありえないと言っていい。『レクイエム・フォー・ドリーム』 を観て以来、ジャレッド・レトはオスカーに値する俳優だと思っていたけど、まさか本当にそんな日が来るとは思ってもみなかった。いや、まだ受賞したわけじゃないので 「そんな日」 はまだ来てないんだけど、でも来るのは間違いなし。嬉しい。嬉しいぞ!
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期待 : ジャレッド・レト 予想 : ジャレッド・レト |
他の4人には申し訳ないが、今回のジャレッド・レトは、
80回のハヴィエル・バルデム、82回のクリストフ・ヴォルツ、84回のクリストファー・プラマーに並ぶ鉄壁さ。
いやー、まさかジャレッド・レトがアカデミー賞の壇上でスピーチする日が来るなんて・・・(涙)