第87回/2014年度アカデミー賞ノミネーション
■ 作品賞 ■ 監督賞 ■ 主演男優賞 ■ 主演女優賞 ■ 助演男優賞 ■ 助演女優賞
助演女優賞
自身のノミネート回数記録を更新し続けるベテランから、
26歳のフレッシュな若手まで幅広いノミネートとなった助演女優賞だが、
助演男優賞と同様、受賞間違いなしの鉄壁ノミニーがいるので、
他の4人の影が薄い薄い。
ゴールデングローブ賞 全米俳優組合賞 ブロードキャスト批評家協会賞 ニューヨーク批評家協会賞 ロサンゼルス批評家協会賞 ワシントンDC批評家協会賞 シカゴ批評家協会賞 サンフランシスコ批評家協会賞 ダラス−フォートワース協会賞 デトロイト批評家協会賞 サウスイースタン批評家協会賞 |
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ボストン批評家協会賞
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Patricia Arquette : BOYHOOD / 『6才のボクが、大人になるまで。』
1993年の 『トゥルー・ロマンス』 あたりがキャリアのピークで、近年は 『ミディアム』 や 『ボードウォーク・エンパイア』 などのテレビシリーズに活躍の場を移していたパトリシア・アークェットが、46歳にしてオスカー助演女優賞の大本命。いやー、マイケル・キートンのコメントにも書いたが、俳優人生ってホント分からない。確かに、本作でパトリシアが最後に登場するシーンが名シーンであることには間違いないが、ここまで前哨戦を総なめするほどの演技か? と正直思わないでもない。まぁ、この独占状態の前ではそんなことを言っても仕方がないので、助演男優賞と同じくサプライズのない結果発表を待つことになりそう。
Laura Dern : WILD / 『わたしに会うまでの1600キロ』
ジェシカ・チャステインやティルダ・スウィントンら、ノミネートが有力視されていた面々の代わりに名前が挙がったのは、重要3賞(GG、SAG、ブロードキャスト)のいずれにもノミネートされなかったローラ・ダーン。リース・ウィザースプーン演じる主人公の母親を演じ(実年齢差、たったの9歳!)、印象的な演技を見せていると評判は高かったのだが、その出番の少なさもあって下馬評では8番手くらいだったので、サプライズノミニーの一人である。全米で大ヒットした 『きっと、星のせいじゃない』 でヒロインの母親役を好演しているのもプラスか。個人的には好きな女優なので、久々にアカデミー賞にノミネートされたのは嬉しいが、受賞するのはパトリシア・アークェットなのでグダグダ言ってもしょうがない。ちなみに、本作のジャン=マルク・ヴァレ監督は昨年のマシュー・マコノヒーとジャレッド・レトに続き(『ダラス・バイヤーズクラブ』)、2年連続で2人の俳優をオスカーノミネートに送り出したことになるので、この調子で行けば次回作の 『DEMOLITION』(2015年公開)に主演するジェイク・ジレンホールのノミネートも夢ではない!
Keira Knightley : THE IMITATION GAME / 『イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密』
個人的には 『プライドと偏見』 でオスカーを受賞すべきだったと思っているキーラ・ナイトレイが本作で演じるのは、ベネディクト・カンバーバッチ演じる主人公のアラン・チューリングが周囲から孤立していく中、彼の支えとなっていくクロスワード・パズルの天才、ジョーン。前哨戦の三大重要賞全てにノミネートされ、アカデミー賞でも手堅く9年ぶりのノミネートを果たした。今年のオスカーで主題歌賞にノミネートされている 『はじまりのうた』 では歌声も披露しており、アカデミー会員の印象は良さそう。いつかは受賞してもらいたい女優の一人だが、どうせ受賞するなら、ナイトレイが最も輝くコスチューム・プレイでの主演女優賞受賞が嬉しい。ちなみに、今年の主演女優賞にノミネートされたロザムンド・パイクとは 『プライドと偏見』 で姉妹を演じた仲。
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Emma Stone : BIRDMAN or (the Unexpected Virtue of Ignorance) / 『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』
最近では 『アメイジング・スパイダーマン』 のヒロイン役でお馴染みのエマ・ストーンが、26歳にして初のオスカーノミネート。演技派というより、『小悪魔はなぜモテる?!』 『ゾンビランド』 などのコミカルな演技の印象が強かったので、まさかこの若さでオスカーにノミネートされるとはという感じだが、予告編やスチールを観る限り、これまでのイメージとは一味違った演技を見せているようなので、本編を観るのが楽しみではある。2014年は実生活でも恋人同士のアンドリュー・ガーフィールドとラブラブな 『アメイジン・スパイダーマン2』、ウディ・アレンと初タッグを組んだ 『マジック・イン・ムーンライト』、そしてオスカーにノミネートされた本作が公開され、更に今年は再びウディ・アレン監督作に出演したり、キャメロン・クロウ監督作でブラッドリー・クーパーと共演したりと、キャリア絶好調。ひょっとすると今回のノミネートをきっかけに、近い将来オスカー像を手にするかも?
Meryl Streep : INTO THE WOODS / 『イントゥ・ザ・ウッズ』
メリル・ストリープが初めてオスカーにノミネートされてから、今年で37年。その間にトータル19回ノミネートされているということは、2年に1度のペースでノミネートである。更に、IMDBによると 『イントゥ・ザ・ウッズ』 までのメリル・ストリープの映画出演作は48本となっているので(声の出演除く)、メリルが映画に出たら約4割の確率でオスカーにノミネートされていることになる。そりゃぁ、ノミネート理由が 「メリル・ストリープだから」 とジョークの一つでも言いたくなるというもの。2015年以降も、ジョナサン・デミ監督とタッグを組んでロックシンガー(!!)を演じたり、実在した過激的な婦人参政権活動家を演じたり、歌唱能力が全くなかったにもかかわらず大衆に愛された実在のソプラノ歌手をスティーブン・フリアーズ監督作で演じたりと、いつノミネートされてもおかしくないラインナップが揃っているので、いやー、この調子だと20回目のノミネートなんてあっという間ですね。
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期待 : ローラ・ダーン 予想 : パトリシア・アークェット |
パトリシア・アークェット以外の受賞は考えられないのだが、
この5人の中でオスカー像を一番手にしてほしい1人を挙げるとすればローラ・ダーン。
まぁ、ありえない話ですけど。