第88回/2015年度アカデミー賞ノミネーション

 

■ 作品賞     ■ 監督賞     ■ 主演男優賞     ■ 主演女優賞     ■ 助演男優賞     ■ 助演女優賞

 

 

助演女優賞

 

前哨戦で有力候補だったヘレン・ミレンやジェーン・フォンダといったベテランたちがノミネートされず、

20代と40代が1人ずつに、30代2人、そして最年長は54歳と、

比較的若めの顔ぶれとなった助演女優賞。

ていうかレイチェル・マクダムスって、もう37歳だったのか!

 

NBOR

 

 

カンヌ国際映画祭

ダラス−フォートワース協会賞

オンライン協会賞

 

 

 

全米俳優組合賞

ブロードキャスト批評家協会賞

デトロイト批評家協会賞

ゴールデングローブ賞

英国アカデミー賞

 

 

 

 

Jennifer Jason Leigh : THE HATEFUL EIGHT / 『ヘイトフル・エイト』

 

 大作系に出ることは少ないが、小品系のワキでいい味を出すタイプのジェニファー・ジェイソン・リーが、タランティーノ組初参加で紅一点の犯罪者を演じ、自身初のオスカーノミネート。タイトル通り、8人の登場人物が繰り広げる密室劇の本作で、サミュエル・L・ジャクソンやカート・ラッセル、マイケル・マドセンなどのタランティーノ組のクセものが揃う中、リーが場をさらう演技を見せていると専らの評判だ。様々なキャラクターを自然に演じられるだけに埋もれがちだった彼女の個性を際立たせたタランティーノ、さすがである。2015年はチャーリー・カウフマンが手がけたストップモーション・アニメ 『ANOMALISA』 の声優を務め、こちらでの高評価のリー。助演女優賞ノミニーの中では最年長だが、54歳はまだまだこれから。今回のオスカーノミネートを機に、どんどんイイ役を演じてほしい一人だ。

 

 

 

Rooney Mara : CAROL / 『キャロル』

 

 『ドラゴン・タトゥーの女』 で超鮮烈な印象を残して以降、5年間で出演作が6本と、オスカーノミネート後としては決して多くなかったルーニー・マーラだが、スティーブン・ソダーバーグにスパイク・ジョーンズ、スティーブン・ダルドリー、ジョー・ライトと、誰もが羨むような超豪華監督陣と組んでいる。残念ながら、ジョー・ライトと組んだ 『PAN ネバーランド、夢のはじまり』 では今年のラジー賞で助演女優賞にノミネートされてしまったが、トッド・ヘインズと組んだ本作では、純粋さを合わせ持った美しさと繊細な演技力をケイト・ブランシェット相手に存分に発揮し、オスカーノミネートも納得の演技を見せてくれた。助演部門のカテゴライズとは言え、ストーリー的には主役という出番の多さは受賞に有利だ。とは言え、本命のアリシア・ヴィキャンデルも主演並みの出番という話なので、どうにも分が悪い。まぁ、カンヌで主演女優賞を受賞しているだけでも十分か。

 

# オスカーノミネート歴

'11 『ドラゴン・タトゥーの女』 (主演)

 

 

 

Rachel McAdams : SPOTLIGHT / 『スポットライト 世紀のスクープ』

 

 『きみに読む物語』 を観て以来、密かにファンだったレイチェル・マクアダムスが初のオスカーノミネート! これは嬉しい! 37歳とはとても思えない、そのキュート過ぎるルックスもさることながら(自分と同い年という事実に愕然)、ロマコメからサスペンスまで何でも自然にこなせてしまう実力は唯一無二で、ノミネートされて然るべき女優の一人である。前哨戦の展開的に受賞はまずなさそうだが、もうノミネートだけでも十分。是非ともノミネート数を伸ばして、いつかは受賞してほしいです。

 

 

 

Alicia Vikander : THE DANISH GIRL / 『リリーのすべて』

 

 今年の助演女優賞は混戦模様と思われていたが、前哨戦が終わってみると、ハリウッドではまだ新人に近いスウェーデン出身の27歳、アリシア・ヴィキャンデルが本命として抜きん出た状態になった。ぱっと見、前哨戦の成績は大したことないように見えるが、実はアンドロイド役で出演した 『EX MACHINA』 でいくつもの批評家協会賞を受賞しているのだ。更に、三大前哨戦ではブロードキャストとSAGしか受賞していないものの、ゴールデングローブ賞では 『リリーのすべて』 の演技が主演部門にカテゴライズされていたため、前哨戦の戦績としては参考にならないのである。従って、実質的には助演女優賞の本命と言っていいだろう。昨年はこの2本に加えて 『コードネームU.N.C.L.E.』 でも好演しており、3本それぞれに魅力を見せてくれた躍進著しい年だったので受賞してもいいとは思うが、この若さとこのキャリアで助演女優賞を受賞してしまうと、受賞をピークにキャリアが低迷していく、いわゆる 「助演女優賞の呪い」 が心配。

 

 

 

Kate Winslet : STEVE JOBS / 『スティーブ・ジョブズ』

 

 『愛を読むひと』 で6度目の正直となるオスカーを受賞してから早7年。こんなに長い間ケイト・ウィンスレットがアカデミー賞にノミネートされなかったのは初めてだ。もしかしてスーザン・サランドンみたいに受賞したらノミネートされることがないのかもと思っていたので、久々のノミネートは嬉しい限り。本作ではスティーブ・ジョブズの右腕となるマーケティング担当を演じ、助演ながらもほぼ出ずっぱりで、さすがの演技を見せてくれている。英国アカデミー賞とゴールデングローブ賞という重要戦を制してはいるが、この2つでは 『リリーのすべて』 のアリシア・ヴィキャンデルが主演部門にカテゴライズされているので、オスカーでは2番手ということになろう。もしも受賞したら、ディカプリオと共に 『タイタニック』 カップルの同時受賞となり、ネタとしては面白いのだが。

 

# オスカーノミネート歴

'95 『いつか晴れた日に』 (助演)

'97 『タイタニック』 (主演)

'01 『アイリス』 (助演)

'04 『エターナル・サンシャイン』 (主演)

'08 『愛を読むひと』 (主演)

 

 

 

 

 

 

期待 : ケイト・ウィンスレット

予想 : アリシア・ヴィキャンデル

 

ウィンスレットは2個目のオスカー像に値する女優なので、

ヴィキャンデルじゃなければウィンスレットだと思うのだが、

現実的にはやはりヴィキャンデルだろうなー