第90回/2017年度アカデミー賞ノミネーション

 

■ 作品賞     ■ 監督賞     ■ 主演男優賞     ■ 主演女優賞     ■ 助演男優賞     ■ 助演女優賞

 

 

助演女優賞

 

受賞争いはローリー・メットカーフとアリソン・ジャニーの一騎打ちだが、

残る3枠を6,7人が争う激戦区となった助演女優賞。

三大前哨戦全てにノミネートされたジョン・チャウの落選も残念だけど、

ノミネーション発表のプレゼンターを務めたティファニー・ハディッシュがノミネートされなかったのはOKだったの?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

全米俳優組合賞

ゴールデングローブ賞

ブロードキャスト評家協会賞

英国アカデミー賞

デトロイト批評家協会賞

ダラス−フォートワース協会賞

フロリダ批評家協会賞

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

NBOR

ロサンゼルス批評家協会賞

ワシントンDC批評家協会賞

ボストン批評家協会賞

サンフランシスコ批評家協会賞

アトランタ批評家協会賞

シカゴ批評家協会賞

ラスヴェガス批評家協会賞

全米批評家協会賞

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Mary J. Blige : MUDBOUND / 『マッドバウンド 哀しき友情』

 

 R&Bシンガーとしてはトップクラスの名声と実力を持つメアリー・J・ブライジ。女優としても歌手としても今回が初のオスカーノミネーションだが、特筆すべきは主題歌賞ノミネートにも名前を連ねており、オスカー史上初めて演技部門と主題歌賞の両方でノミネートされたのだ。助演女優賞での受賞はまずないが、主題歌賞にはまだチャンスがある。とは言っても、『グレイテスト・ショーマン』 や 『リメンバー・ミー』、作品賞候補の 『君の名前で僕を呼んで』 など、こちらもライバルは強力だが。

 

 

 

Allison Janney : I, TONYA

/ 『アイ、トーニャ 史上最大のスキャンダル』

 

 コメディでもシリアスでも、テレビ界でも映画界でも、名脇役としての実力を誰もが認める58歳のアリソン・ジャニーが今年の助演女優賞の大本命だ。演じるのは、ライバルを元夫に襲撃させた伝説のフィギュアスケーター、トーニャ・ハーディングの人格形成に大きな影響を与えた強烈な母親、ラヴォナ・ゴールデン。前哨戦前半ではローリー・メットカーフに水をあけられていたが、三大前哨戦を制覇して一気に本命に躍り出た。最近ではJ・K・シモンズや、クリストフ・ヴォルツ、クリスチャン・ベイルにメリッサ・レオ、そしてモニークなど、インパクトのあるキャラクターは助演部門では強いので、このまま受賞まで行きそう。ちなみに、助演男優賞で同じく本命のサム・ロックウェルとは 『THE WAY WAY BACK』 で共演済み。

 

 

 

Lesley Manville : PHANTOM THREAD / 『ファントム・スレッド』

 

 ホリー・ハンター、ジョン・チャウ、ティファニー・ハディッシュら、前哨戦で助演女優賞部門を賑わせた面々が落選する傍ら、あまりマークされていなかったレスリー・マンヴィルがノミネートされ、今年のオスカー主要6部門で最大のサプライズとなった。このことからも 『ファントム・スレッド』 がどれほどアカデミー会員の心を掴んでいるかが窺えるが、1988年の 『ハイ・ホープス』 以来のマイク・リー監督作の常連であり、7年前には 『家庭の庭』 で前哨戦を賑わせた実績もあるので、ノミネートされても不思議ではない実力の持ち主なのは確か。ただし、マイク・リー組の俳優はヨーロッパの映画祭では強いが、オスカーを受賞したことがあるのはジム・ブロードベントのみ。

 

 

 

Laurie Metcalf : LADY BIRD / 『レディ・バード』

 

 テレビ界での活躍が知られるものの、映画界ではこれまでそんなに脚光を浴びてこなかったローリー・メトカーフが初のオスカーノミネート。本作で多くの批評家協会賞を受賞しており、今年の助演女優賞はメトカーフで決まりか?と思っていたのだが、後半戦は完全にアリソン・ジャニーに持っていかれてしまい、受賞の望みは薄くなってしまった。2人とも60歳前後で女優としてのキャリアは長く、TV界ではエミー賞を複数回受賞しており(メトカーフ3回、ジャニー4回)、今回はエキセントリックなヒロインの母親役を演じて初オスカー候補と、色々共通項が多いライバルだが、ジャニーが演じる母親の方が一癖も二癖もあって印象に残りやすかったか。ジャニーの方が映画出演が目立っているのも不利(しかも 『アメリカン・ビューティー』 『めぐりあう時間たち』 『ジュノ/JUNO』 『ヘルプ』 など、オスカー候補作多数!)。

 

 

 

Octavia Spencer : THE SHAPE OF WATER

/ 『シェイプ・オブ・ウォーター』

 

 『ヘルプ 心がつなぐストーリー』 でオスカーを受賞して以降、アクション系にもドラマ系にも引っ張りだこで、「口は立つけど根は優しいオバちゃん」 枠では断トツの安定感を誇るオクタヴィア・スペンサー。昨年日本で公開された 『ドリーム』 でも 『gifted/ギフテッド』 でも、この人が演じてるから説得力あるキャラになってるよなぁと思わずにいられない存在感を出していて、2年連続でオスカー候補も納得の仕事っぷりである。これまでのノミネート対象作が全て作品賞候補というのも強く、このペースで行くと2度目の受賞があってもおかしくない。ちなみに45歳のスペンサーは、今年の助演女優賞ノミニーの中で最年少。助演部門はベテランがノミネートされやすいとはいえ、この年齢層が揃うのはなかなか珍しい。こういうベテラン感漂う顔ぶれ、好きです。

 

# オスカーノミネート歴

'11 『ヘルプ 心がつなぐストーリー』 (助演)

'16 『ドリーム』 (助演)

 

 

 

 

期待 : アリソン・ジャニー

予想 : アリソン・ジャニー

 

ここはデイヴィスのオスカー受賞のシナリオが濃厚。

デイヴィスじゃなかったミシェル・ウィリアムズに受賞してほしいが、

それはありえないし、デイヴィス受賞に文句ナシ。