第92回/2019年度アカデミー賞ノミネーション

 

■ 作品賞     ■ 監督賞     ■ 主演男優賞     ■ 主演女優賞     ■ 助演男優賞     ■ 助演女優賞

 

 

主演女優賞

 

前哨戦で存在感を放っていたルピタ・ニョンゴがノミネートされず、

実績的にはゼルウェガーの独走状態。

ダブルノミネートの勢いに乗ったブラック・ウィドウことスカヨハの追い上げなるか?

ちなみにゼルウェガーの50歳が5人の中で最年長。顔ぶれ若い!

 

 

 

 

 

 

 

 

デトロイト批評家協会賞

フロリダ批評家協会賞

ダラス=フォートワース協会賞

 

 

 

 

ボストン批評家協会賞

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

英国アカデミー賞

全米俳優組合賞

ゴールデングローブ賞

ブロードキャスト批評家協会賞

NBOR

ラスヴェガス批評家協会賞

アトランタ批評家協会賞

 

 

 

Cynthia Erivo : HARRIET / 『ハリエット』

 

 舞台ミュージカル板の 『カラーパープル』 でトニー賞を受賞するなど、ミュージカル界のスターとして既に地位を確立しているシンシア・エリヴォ。2018年に 『ロスト・マネー 偽りの報酬』、『ホテル・エルロワイヤル』 で映画女優として順調なスタートを切ったと思ったら、翌年にはオスカー候補と、映画界でも確実にキャリアを築いており、今のハリウッドで要注目な一人である。本作でエリヴォが演じるのは19世紀半ばの奴隷解放運動家、ハリエット・タブマン。アメリカではアフリカ系アメリカ女性として初めて紙幣に採用されており、知らない人はいないほど有名な人物だとか。今年は "Oscar too white" が復活し、演技部門での非白人ノミニーは彼女だけとなったので、その期待を一身に背負うことになるのだが、さすがに受賞はなさそう。主題歌賞にもノミネートされているので、そちらの方が勝算はあるけど、エルトンがやっぱり強いかなぁ。

 

 

 

Scarlett Johansson : MARRIAGE STORY / 『マリッジ・ストーリー』

 

 『ロスト・イン・トランスレーション』 や 『マッチポイント』 で賞レースを賑わせながらもアカデミー賞から無視されてしまったスカーレット・ヨハンソ(『真珠の耳飾りの少女』 でももっと評価されるべきだった!)。そうこうしているうちにブラック・ウィドウを演じてアクション女優のイメージが強くなり、以前のような小品に出る機会が減ったので、オスカーとは無縁になってしまうのかと思っていたら、いきなり主演と助演のダブルノミネートである。ようやくスカヨハの魅力をアカデミー賞が評価する気になって嬉しい。本作では息子思いの優しい母親でありながら、女優としてまだまだ成功したい想いを抱えて夫と離婚するも、夫への愛情は残っている役を演じているのだが、その心情全てを表現していると言っていい長回しのワンシーンをはじめ、アダム・ドライヴァーと繰り広げるクライマックスの大ゲンカなど、どのシーンでも目が離せず、もうアカデミー賞あげていいよね? というレベル。ゼルウェガーを逆転するとしたらヨハンソンだと思うので、ダブルノミネートの勢いで是非! と言いたいところだが、実はダブルノミネート時の受賞率は決して高くなく、(以下助演女優賞のページに続く)

 

 

 

Saoirse Ronan : LITTLE WOMEN

/ 『ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語』

 

 『ブルックリン』 以降、1年おきに主演女優賞候補となっているシアーシャ・ローナン。4度目のオスカーノミネーションを25歳で受けるのは、ジェニファー・ローレンスと並ぶ最年少だ(正確には8月生まれのローレンスの方が4月生まれのローナンよりノミネート時の月齢は若いが)。このまま行くと5度目のノミネートも遠くない将来に実現しそうで、そうなるとケイト・ウィンスレットの記録(31歳で5度目のオスカー候補)を抜いても不思議ではない。なかなか受賞本命にまで躍り出られないのは、エイミー・アダムスやミシェル・ウィリアムズと同じ感じがしないでもないが、なんたってまだ25歳。是非近いうちにオスカーウィナーになって頂きたい。

 

# オスカーノミネート歴

'07 『つぐない』 (助演)

'15 『ブルックリン』 (主演)

'17 『レディ・バード』 (主演)

 

 

 

Charlize Theron : BOMBSHELL / 『スキャンダル』

 

 『モンスター』 での衝撃的なブサイク演技から早16年。当時はあまり上手いと思ったことがなかったが、個人的には 『ヤング≒アダルト』 のイタイ役から見直し始めて、そうこうしてる間に 『マッド・マックス 怒りのデス・ロード』 や 『アトミック・ブロンド』 、『ワイルド・スピード』 とカッコよ過ぎになっているセロン姐さん。かと思えば、『ロング・ショット 僕と彼女のありえない恋』 ではキュートに可笑しく、そしてカッコ良くロマコメのヒロインを演じて、もはやできない役ないんじゃない?的な無敵感すら漂っているセロン姐さん。本作で演じているのは、アメリカでは超有名なキャスターのメーガン・ケリーだが、『ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男』 でオスカーを受賞した辻一弘によるメイクでソックリさんと化しており、言われないとセロン姐さんかどうか分からないレベルの仕上がりだ。さすが辻さん、メイクアップ・ヘアスタイリング賞での受賞はありそうな感じ。姐さん本人に関しては受賞争いに絡んでなさそうなので、最近のキャリアを総括してのノミネートみたいな感じで。

 

# オスカーノミネート歴

'03 『モンスター』 (主演)

'05 『スタンドアップ』 (主演)

 

 

 

Renée Zellweger : JUDY / 『ジュディ 虹の彼方に』

 

 トッド・フィリップスやアントニオ・バンデラスなど、今年のオスカーは 「この人がノミネートされる日が来るなんて予想してなかった」 的なノミニーが多い気がするが、ある意味、この人もその一人。『コールドマウンテン』 で受賞して以降、出演する作品の評価が芳しくないことが続き、そうこうしているうちに女優業休業状態となり、久々に公の場に出てきたと思ったら整形疑惑しか話題にならず、久々に女優業に復活したと思ったらやっぱり評価がイマイチだったりと(ブリジット・ジョーンズ3作目は結構面白かったけど)、この15年くらい踏んだり蹴ったりだったレニー・ゼルウェガーが、まさかのオスカー主演女優賞本命に返り咲きである。誰もが知っている実在の人物を演じるのはオスカーを受賞しやすいというのもあるが、晩年のジュディ・ガーランドを演じ、劇中の歌を全て自らの歌声で披露したレネーの演技は、キャリア最高との呼び声も高い。個人的には 『コールドマウンテン』 の演技はオスカー受賞するほどのもの? という気がするので、本作で2度目の受賞もアリかなと思う。受賞スピーチがイマイチ盛り上がらないのが玉に傷だが…

 

# オスカーノミネート歴

'01 『ブリジット・ジョーンズの日記』 (主演)

'02 『シカゴ』 (主演)

'03 『コールドマウンテン』 (助演)

 

 

 

 

 

期待 : スカーレット・ヨハンソン

予想 : レニー・ゼルウェガー

 

5人のノミニーのうち、スカヨハの演技しか観ていないので何とも言えないが、

演技部門でサプライズが起こるとしたら主演女優賞だと思うので、

スカヨハの受賞という予想もアリ。

まぁ、手堅くいくならやっぱりゼルウェガーに賭けますが。