アカデミー賞受賞作、『八十日間世界一周』 のリメイクである。オリジナルは観てないんですが、全く別物ってのは簡単に想像できます。だってこれ、ジャッキー・チェンのアクション映画だもん。それも、適度にハリウッド化されてて、勢いのないジャッキー。何なのかなぁ。どういうプロセスでこの映画の企画(脚本)が出来たのか、大いに興味(疑問)がある。まぁ、今じゃ80日間で世界一周なんて簡単に出来ちゃうから、例え時代設定を変えても、話自体に吸引力がなくなっちゃうし、じゃぁアクションを主体にして、オリジナルでも東洋系だったパスパルトゥーをジャッキー・チェンにして、って感じなんだろうけど。何て安易な。
もっとも、最大の疑問は、この演技力も華もないスティーブ・クーガンって人を何故主役に選んだかってことだ。もーちょっとマシな人いなかったのかね。一緒についてくるヒロイン(一応)のセシル・デ・フランスってのも、キャーキャー言いながら顔がふにゃふにゃしてるだけだし。まぁ、この脚本にOKする俳優もそうそういなかったんだろうけど。そうなってくると(話も主人公達も面白くないとなると)、何が面白いかといえば、ワキに出てくる、中途半端に豪華なゲスト達。ゲストが豪華だから主役にギャラがあまり払えなかったのかな。
こういうカメオ出演みたいなのでも実力がよーく出るね。もう、シュワルツネッガーの面白くないこと。全身でコメディ・センスありません、って感じだ。仮にも一時のアクション・スターなのに、州知事前の最後の映画がこんなんでいいのかな。逆に、さすがなのはキャシー・ベイツ。何とイギリス女王を演じちゃいます。映画の最初の方で、ベイツの顔の女王の絵が出てくるんだけど、もう、その実物見たさで2時間頑張りました。登場時間の短さとインパクトの強さでは、『恋に落ちたシェイクスピア』 のジュディ・デンチに引けを取ってません。このキャスティング、偉いなぁ。案の定、最後の彼女とジム・ブロードベント(この人のおかげで、映画が学芸会レベルまで落ちないですんでいる)の掛け合いは絶妙で、唯一まともに見てられるシーンでした。最後がこのシーンで良かった良かった。
|