80デイズ AROUND THE WOLRD IN 80 DAYS


directed by Frank Coraci

cast :  Steve Coogan  Jackie Chan
Cecile De France  Jim Broadbent
Karen Joy Morris  Ewen Bremner
Arnold Schwarzenegger  Daniel Wu
Owen Wilson  Luke Wilson
John Cleese  Kathy Bates
('04 11 21)



 アカデミー賞受賞作、『八十日間世界一周』 のリメイクである。オリジナルは観てないんですが、全く別物ってのは簡単に想像できます。だってこれ、ジャッキー・チェンのアクション映画だもん。それも、適度にハリウッド化されてて、勢いのないジャッキー。何なのかなぁ。どういうプロセスでこの映画の企画(脚本)が出来たのか、大いに興味(疑問)がある。まぁ、今じゃ80日間で世界一周なんて簡単に出来ちゃうから、例え時代設定を変えても、話自体に吸引力がなくなっちゃうし、じゃぁアクションを主体にして、オリジナルでも東洋系だったパスパルトゥーをジャッキー・チェンにして、って感じなんだろうけど。何て安易な。

 もっとも、最大の疑問は、この演技力も華もないスティーブ・クーガンって人を何故主役に選んだかってことだ。もーちょっとマシな人いなかったのかね。一緒についてくるヒロイン(一応)のセシル・デ・フランスってのも、キャーキャー言いながら顔がふにゃふにゃしてるだけだし。まぁ、この脚本にOKする俳優もそうそういなかったんだろうけど。そうなってくると(話も主人公達も面白くないとなると)、何が面白いかといえば、ワキに出てくる、中途半端に豪華なゲスト達。ゲストが豪華だから主役にギャラがあまり払えなかったのかな。

 こういうカメオ出演みたいなのでも実力がよーく出るね。もう、シュワルツネッガーの面白くないこと。全身でコメディ・センスありません、って感じだ。仮にも一時のアクション・スターなのに、州知事前の最後の映画がこんなんでいいのかな。逆に、さすがなのはキャシー・ベイツ。何とイギリス女王を演じちゃいます。映画の最初の方で、ベイツの顔の女王の絵が出てくるんだけど、もう、その実物見たさで2時間頑張りました。登場時間の短さとインパクトの強さでは、『恋に落ちたシェイクスピア』 のジュディ・デンチに引けを取ってません。このキャスティング、偉いなぁ。案の定、最後の彼女とジム・ブロードベント(この人のおかげで、映画が学芸会レベルまで落ちないですんでいる)の掛け合いは絶妙で、唯一まともに見てられるシーンでした。最後がこのシーンで良かった良かった。





back