チャーリーとチョコレート工場
      CHARLIE AND THE CHOCOLATE FACTORY


directed by Tim Burton

cast :  Johnny Depp  Freddie Highmore
David Kelly  Helena Bonahm Carter
Noah Tailor  Liz Smith
Eileen Essell  David Morris
Deep Roy  Christopher Lee
Annasophia Robb  Missi Pyle
Julia Winter  James Fox
Jordan Fry  Adam Godley
Philip Wiegratz  Franziska Troegner
('05 09 11)


 『チャーリーとチョコレート工場』 のジョニー・デップを見て、「ジョニー・デップ、どうしちゃったの?」 と言っている人がいた。なるほど。『パイレーツ・オブ・カリビアン』 とか 『シークレット・ウィンドウ』 のデップを見てたら、今回のデップは 「どうしちゃったの」 状態に見えるのか。けど、ジョニー・デップはこういう役もやってのけちゃう人なのです。それも、これまでの役柄を全部忘れさせるくらいに違和感なく。

 とは言っても、ここまで文字通りコミカルな役柄を演じたのは、多分初めてじゃないだろうか。同じティム・バートン監督の 『エド・ウッド』 のタイトル・ロールもコミカルだったけど、今回は奇人変人なチョコレート工場の工場長を楽しそうに演じてます。少年チャーリーを演じるフレディ・ハイモア君も、『ネバーランド』 で見せた芸達者ぶりを今回も見せてくれて、もちろん単純にカワイくて、順調に名子役の道を歩いている。次回作がリュック・ベッソン監督ってのが気になるけど。それにしても、ジョニー・デップと2作品続けて共演できるなんて、なんて幸せな俳優人生なんだろう。しかも、チャーリー役に彼を推薦したのはデップ自身というのだから。

 なんて書いておきながら何ですが、『チャーリーとチョコレート工場』 の本当の主役は、デップ演じるウィリー・ウォンカでもチャーリー少年でもなくて、憎たらしいガキンチョが脱落していく度に謎の踊りとワクワクするような歌を歌いだす、無数のウンパ・ルンパ(↓写真)であることは間違いないのです。最初にウンパ・ルンパ達がたくさん出てきて、突然音楽に合わせて踊りだした時の楽しさと言ったら! もうアドレナリン出まくりで、コレだけで元が取れたってもの。『マーズ・アタック!』 もこういう楽しさだったけど、今度はなんせミュージカル状態だ。チャーリー以外の子供が4人いるので、全部で4回ウンパ・ルンパの歌が聴けるわけだけど、これなら後4人くらい余計にいてもいいね。全く同じストーリーでいいので、パート2を作って、またウンパ・ルンパの踊りを見せてくれ〜

 そんなウンパ・ルンパ達がたくさん乗っているステキなドラゴンの形の船や、まるで御伽の世界のようなチョコレート工場の内部などなど、今回もバートン印の映像が満載。冒頭、ダニー・エルフマンのダークな音楽で幕を開けるタイトルバックも、まるでバートンの 『バットマン』 シリーズそっくりで、それだけでも当然ワクワクするわけだが、手作りにこだわるバートン映画のタイトルバックがCGだったのは、ちょっと残念。それに、今回の分かりやすいハッピー・エンディングは、最近顕著になってきたバートン映画にあふれる 「幸せ感」 を順調に引き継ぎ過ぎていて、物足りなく感じる。バートン本人は、子供が生まれたことは映画作りにそんなに影響していないと言っているけど、ヘレナ・ボナム・カーターとの結婚を境に、作品の傾向が変わってきているのは否めないと思う。『バットマン』 シリーズや 『シザーハンズ』 時代の、バートンならではのダークなキャラクターの描き方はもう見られないのかもしれない。けど、それとは違った楽しさが生まれているのも事実だし(そして 『ビッグ・フィッシュ』 という傑作が生まれた)、今度のバートンの新作は 『ナイトメア・ビフォア・クリスマス』 のファン必見のアニメーション映画、『コープス・ブライド』 だ。それだけでも必見だというのに、声の出演にデップとカーター、そしてエミリー・ワトソンという豪華版。ウンパ・ルンパ役のディープ・ロイも出演してます。やっぱり目が離せないティム・バートンなのでした。





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