2001年度アカデミー賞作品賞候補作で、今年最後の日本公開作となった 『ゴスフォード・パーク』。えぇ?これが?これがアルトマンの傑作?全っ然面白くなかったんですけど。同じアルトマンなら最近の 『クッキー・フォーチュン』 とか 『Dr.Tと女たち』 の方が俺は好きだなぁ。
時は1930年代、イギリスの御屋敷ゴスフォード・パークにパーティーで集まった貴族たちと、その召使い。そんな、多くの人間がひしめくゴスフォード・パークで殺人事件が起こる。アルトマンとしては、今まで挑んだことがなかった殺人ミステリーの分野に手を出したと言うことらしいが、それにしては殺人が起こるまでがあまりに長くて映画が全く締まらない。謎解きというほどのものもないし、何だか、レベルは低いが登場人物だけはやたらと多い金田一少年イギリス版・・・にもなってないって。
ほとんどの批評が誉めまくっているので、一体何が面白いんだろうと一所懸命読んでみるのだが、かいつまんで言えば、上流階級の人々は屋敷の階上、その召使い達は階下と、それぞれの世界が同じ屋敷の中ではっきりと分かれて成立しながら、その皮を一枚めくれば、結局は同じ人間としての愛憎劇があるということ。屋敷の主人と召使いがデキてたり、金目当てで主人に人が群がったり、意外な関係が隠されていたりと、つまりは安っぽい日本の昼メロと一緒。そんなことを言うために、主要人物だけで総勢21人もの登場人物のお喋りに付き合わされるんかい。大体、顔を知ってる俳優以外の登場人物の関係がなかなか掴めないのは俺の頭が悪いからかもしれないが、もうちょっと編集ちゃんとしろよと言いたくなる。マギー・スミスは何だか一人で別世界って感じに上手過ぎて、誰にも相手にされていない。唯一、クリスティン・スコット・トーマスとのシーンのみで演技のコミュニケーションが見られた。ヘレン・ミレンは最後の最後の演技でオスカー候補になったのだろうか。確かに上手いが、前半大部分で影が薄かった。エミリー・ワトソンに召使役はヤバイ。顔が地味だからハマり過ぎである。と、こんな調子で気になった俳優のことを書いてたらキリがないのでやめよう。
ひたすら登場人物にしゃべらせるだけしゃべらせた脚本のジュリアン・フェローズは、なぜかアカデミー脚本賞を受賞。英国俳優に弱いアカデミー会員だが、こんなニセモノ英国文化にも弱いのであった。
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