ヒューマンネイチュア HUMAN NATURE

directed by Michel Gondry

cast :  Tim Robbins  Patricia Arquette
Rhys Ifans  Miranda Otto
Robert Forster  Mary Kay Place
Rosei Perez
('02 03 14)



 あの奇想天外 『マルコヴィッチの穴』 の脚本家チャーリー・カウフマンが再び筆をとり、ビョークのミュージックビデオなどを手がけるミシェル・ゴンドリーが監督、と来て、期待に胸を躍らせて行った・・・・人います? あ、実は僕、『マルコヴィッチの穴』もまぁ普通に面白かったくらいなんで、今回もあんま期待してなくて、まぁ面白かったら儲けもん程度で行ったんですよ。そしたらめちゃめちゃ損しまくり。儲けなんでゼロゼロ。

 『ヒューマンネイチュア』 を少しでも知っている人なら、登場人物が「ネズミにマナーを教える博士(ネイサン)」と「宇宙一毛深い女(ライラ)」と「自分を猿だと思い込んでる男(パフ)」の3人だということも知っていると思う。この3人に、ネイサンのお色気大作戦な助手ガブリエルが絡んで、ネイサンはパフにマナーを叩き込み、ネイサンと結婚したライラはシャワールームで毎日全身剃毛。パフは見事、立派な教養人となったが性欲を抑えきれない。ま、大方の映画雑誌の批評に書いてあると思うんだが、この設定あんまり意味ないんだよねー。段々普通の3人になってきて、普通の話になってくる。かと思うと前半もテンポがちぐはぐで、話が普通になった後半の方が見てられる。

 「人間は性欲には勝てませーん」、「文明を後悔したってそんなの見せかけじゃーん」、「人間が知恵を持った時点でもうアウトだったんだよ」という結末は結構気に入った。けどそんだけ。パトリシア・アークェットが大熱演でアホっぽい(誉めてる)。リス・エヴァンス(『ノッテイング・ヒルの恋人』)も認めよう。そもそも俳優達はみんな頑張っている。これはミシェル・ゴンドリー監督が脚本と俳優の力に頼りきった映画。そして結果、脚本は尻すぼみ,俳優だけ頑張っててかわいそうになってくる映画であった。

 カウフマンの次回作はニコラス・ケイジ、メリル・ストリープ主演の 『ADAPTATION』。監督は 『マルコヴィッチの穴』 のスパイク・ジョンーズ再びだが、駄作でも見ていられる主演二人だけに、ひょっとしてまたアイディアと俳優勝負で、ストーリーは二の次だったら・・・チャーリー・カウフマン、一発屋脚本家疑惑発生?さらに、彼の脚本をジョージ・クルーニーが監督なんていう企画も進行中だ。主演はクルーニーにジュリア・ロバーツ、ドリュー・バリモア、サム・ロックウェル。結構キワドイと思います、カウフマンの脚本家生命。





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