インディ・ジョーンズ クリスタル・スカルの王国

INDIANA JONES and the Kingdom of Crystal Skull

 

directed by Steven Spileberg

cast : Harrison Ford  Cate Blanchett  Shia LaBeouf

Karen Allen  Ray Winstone  John Hurt

Jim Broadbent  Igor Jijikine

('08 06 14)

 

 

 19年ぶりとなるインディ・ジョーンズ最新作は、残念ながら過去の3作に比べるとエキサイティング度は大分落ちるが、今までインディ・ジョーンズをスクリーンで観たことがない世代としては、あのインディのテーマを劇場で聴けるだけでもワクワクしてしまうというもの。なんてったってジョン・ウィリアムズが音楽のアクション映画だもの。つまらなくても盛り上がってしまいます。

 

 インディ・ジョーンズに限らず、スピルバーグのアクション映画にはつきものの冒頭で繰り広げられるアクションシーンだが、噂通りご老体のハリソン・フォードの鈍ったアクションのせいか、イマイチ乗り切れずに消化不良のまま。楽しみだったケイト・ブランシェットの悪役も思ったよりも大人しくて、あぁ、このまま最後まで行ったらどうしようと思っていたのだが、インディ・ジュニアとしてシャイア・ラブーフが登場すると俄然映画が若返る。そして過去3作へのオマージュのような後半の戦車でのアクションシーンは、我を忘れるほどの興奮はないものの、懐かしいものを観るような気持ちで楽しくなった。インディおじさんも見せ場は若者に譲り、シャイア・ラブーフが戦車の上や森の中で暴れまくります。ブランシェットも段々見せ場が増えてきて、ラブーフと戦車の上でフェンシングしちゃったりする。こんなブランシェットを観られただけでも映画ファンとしては儲けものです。クライマックスを超常現象でまとめちゃったりするあたりも、インディ・シリーズの醍醐味だ。相変わらずのヘビ嫌いなところも見せたりして、外しがありません。目新しさはないけれど、シリーズものの強みをしっかり押さえてるね。あぁ、ココは2作目が好きな自分としてはたまらない! とか思いながら観てたもの。

 

 ただ、この手の笑いありアクションありの、手に汗握る冒険活劇を撮るのにはスピルバーグは大人になり過ぎてしまったのかなぁという違和感を覚えながら観ていたのも事実。最近はアクションものでもシリアスなトーンの映画を撮ってきたからか、いい意味でのスピルバーグの 「子供らしさ」 が爆発してなくて。過去3作にあったような、もうとことん楽しませてやろう的なサービス精神に近い勢いがないのだ。更なる続編ができるという噂もあるけれど、本作を観ると今のスピルバーグにインディ・シリーズは合わない気がして、過去3作の奇跡のようなエキサイティング度はもう味わえないんだろうなぁとも思ってしまう。それとも、観てるこっちが変に大人になっちゃったのかなぁ。ていうか、過去3作のリバイバル上映やってくれないかなぁ。