ザ・インタープリター THE INTERPRETER


directed by Sydney Pollack

cast :  Nicole Kidman  Sean Penn
Catherine Keener  Jesper Christensen
Yvan Attal  Earl Cameron
George Harris  Michael Wright
Hugo Speer  Curtiss I'Cook
Byron Utley  
('05 06 26)


 かつてのハリウッドの問題児ショーン・ペンも、さすがにオスカーをもらうと気前が良くなるのか、いかにもハリウッドなサスペンスに突然出てみちゃって、どうしたのって感じ。そして、ペンとキッドマンの顔合わせは、いかんせん微妙だ。いつにもましてお人形さんのようにキレイなキッドマンに、いつもと同じく物悲しさいっぱいのペンの顔が、どうにもスクリーンで釣り合わない。そもそも、ペンにはこういう映画が似合ってない。『アイ・アム・サム』 や 『ギター弾きの恋』 みたいな作り物の演技は別として、ショーン・ペンは、その顔でそこにいるだけで存在感が生まれる俳優である。もちろん、彼の演技力があってこそ、キャラクターに更に奥行きが生まれるんだけど、『ザ・インタープリター』 ではその存在感が、娯楽サスペンスというジャンルに全然そぐわない。ペンの周りだけ空気重過ぎ。妻を事故で亡くしたシークレット・サービスっていう、いかにもペンな役柄もしつこい。奥さん亡くなって辛いのは十分わかりましたよー、って言いたくなる。やっぱり、ショーン・ペンって 『21グラム』 みたいな渾身系の映画が似合う俳優なんだなー、と思うと同時に、実は 「作品に見合った演技」 が苦手なんだなーってのがよく分かる。実生活通り、ペンは不器用な演技派なのでした。

 監督のシドニー・ポラックにも責任はある。最近落ち目とはいえ、それなりに巨匠なので、サスペンスの盛り上げ方は上手いけど(バスのシーンまでの緊迫感はさすが)、得意のメロドラマ路線に寄り道することが多くて多くて。んで、メロドラマ路線のシーンこそペンの見せ場ってな感じで、ショーン・ペン節が全開になる。だからしつこいってばー。この映画、ポリティカル・サスペンスじゃないの? 折角のプロットも台無しです。

 と色々言ってみたけど、映画全体ではそこそこ合格点で観てられる。ポラックの演出も、いくつかのシーンでは冴えているし(訪米した大統領が2番街を通るシーンとか)、もはや手堅いキッドマンとペンの演技は、それぞれ単独で観ればやっぱり上手い。更に、本物の国連での撮影のおかげで作品のスケール感もアップだ。ルーヴル美術館での撮影が許可されなかった 『ダ・ヴィンチ・コード』 は、大きく差をつけれらちゃったね。関係ないけど、あの映画、ルーヴルで撮影できなかったらどうするつもりなんだろう。それだったら映画化しない方がいいんじゃないかとか思っちゃうんだけど。





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