アイランド THE ISLAND


directed by Michael Bay

cast :  Ewan McGregor  Scarlett Johanson
Sean Bean  Djimon Hounsou
Steve Buscemi  Michael Clarke Duncan
Ethan Phillips  Brian Stepanek
Noa Tishby  Siobhan Flynn
('05 07 29)


 『パール・ハーバー』 でもう興味をなくしたマイケル・ベイ映画ですが、ベン・アフレックとかブルース・ウィリスみたいなバカ役者が出ないで、代わりにユアン・マクレガーとスカーレット・ヨハンソンという旬な俳優が出てるなら、ひょっとしたら期待が持てるかもしれない。大好きな 『ザ・ロック』 だって、セクシーハゲの演技派3人がいたから面白かったわけだし。

 と思って観たら、『ザ・ロック』 まではいかないにしても、久々に楽しめるマイケル・ベイだった。というか、かなり期待以上。やっぱベイは実地のアクションに限るね。今回の「R」の看板が落ちるシーンみたいに、そこまでやるか!的なド派手でしつこいアクションが得意なんだから、変に宇宙で大爆発とか、戦争で飛行機が爆発とか、そういう似合ってないジャンルには手を出さない方がいいと思う。もう、どんどん一般市民に迷惑かけまくり、街壊しまくり路線を貫いてください(きっといつか飽きるけど)。

 時は2017年。地球の大気は汚染され、クリーンな施設で保護された人間たち。彼らは、唯一汚染されていない島、“アイランド”へ行く権利が抽選で当たるのを目標に、施設で生き続けている。だがそれは理想の楽園なんかではなく、“クローン”である彼らが、本物の人間に利用される場所だった。臓器移植のための臓器提供、不妊で悩む夫婦のための赤ん坊の提供。そして破棄されるクローンたち。そうとは知らずに当選を喜ぶ彼ら。そして当選したデルタ(スカーレット・ヨハンソン)。だが、“人間”たちの企みを知ったリンカーン(ユアン・マクレガー)は、ジョーダンを連れて逃げ出そうとする。

 クローンが自我に目覚めるという、あながちシャレになってない現代的なテーマを扱っているので、クローンのマクレガーやヨハンソンが人間社会に出て行って追っ手をどんどん殺していくのは、結構笑えない。そこらへんに現代のクローン技術への警鐘を感じるかどうかは勝手だが、なんたって監督はマイケル・ベイなので、そんなもの鳴らしてるわけがない。そんな細かいことを気にしているのなら、あんなラストはありえないはずである。とりあえず、旬の若手二人が次々とアクションをこなしていくのを楽しめばよいのだ。ベイ映画にしては久々に脚本が一本調子じゃないので、長い上映時間も気にならないし。

 今年の夏はSWにアイランドと大活躍のユアン・マクレガーだが、やっぱり上手い。アクションだろうがドラマだろうがコメディだろうが、ちゃんと演じられるクセのない俳優ってなかなかいないでしょう。これからも安心して楽しめるユアンに違いありません。スカーレット・ヨハンソンは思ったより出番が少なくて物足りなかった。けど、銃向けて決めゼリフとか似合ったりして、アクションもこなせることが判明。これなら強い女役もできるね。他にもジャイモン・ハンスゥ、マイケル・クラーク・ダンカン、またもやベイ映画で金稼ぎのスティーブ・ブシェミ、そして悪役ならお任せショーン・ビーンと、このメンツなら観てて飽きることはない。意外にも実力のある俳優と相性のいいマイケル・ベイなのでした。

 途中でユアン・マクレガー演じるリンカーンと、リンカーンのオリジナルであるトム・リンカーンが顔を合わせるシーンがある。当然ユアンが一人二役で演じてるわけだが、これがいつものベイ映画みたいにベン・アフレックじゃなくて本当によかった。アフレックがスクリーンに二人出てきたって全然面白くないし、そもそもアフレックに一人二役なんてムリに違いない。二人とも同じ演技で、見てるこっちもどっちがクローンなのか分からなくなる。ジェリー・ブラッカイマーがプロデューサーだったらユアン・マクレガーなんて起用しないだろうなー。興行的には惨敗しそうだけど、とりあえずベイがブラッカイマーから独立して万々歳。ちょっとだけ次のマイケル・ベイに期待してみよう。





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