製作費１万５千ドルの自主製作低予算ホラー映画ながら、公開されると口コミで評判が広がり、公開５週目にして全米第１位、ついには興行収入が１億ドルを超えた話題の１本。そりゃぁ期待も高まるというものだが、カップルが寝室で寝ている間に何が起きているのかを撮影したビデオカメラの映像で全編構成されているという、どこか 『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』 っぽいモキュメンタリー・ホラーということで、その撮り方とストーリーでどう怖くなるんだろうかと、期待もありつつ不安半分で観に行ったのだが、えーっと、うーんと、全然怖くなかったですよ・・・・ あの前評判は一体何だったですか・・・ スピルバーグがリメイクしようとしたけど完璧すぎてリメイクを断念したって本当ですか・・・

　「見えない何か」 の正体を見せずに怖がらせるというのは、幽霊でも何でもCGで見せてしまう最近のホラー映画とは一線を画していて悪くないけど、その怖がらせ方っていうのが、ドアがひとりでに閉まったり、ベッドの中にまるで何かがいるかのようにシーツが動いたり、寝てたら見えない何者かに突然ベッドから引きずりおろされたり、謎の足跡を辿っていった先の屋根裏に主人公の小さい頃の写真がなぜかあったりと、よくありがちなお化け屋敷的なパターンなんである。いやー、モキュメンタリー形式に入りこめれば 「これ、本当に起こってるんじゃ・・・」 と怖いかもしれないけど、映画だって分かってるし、そもそも入りこめるほどよくできてないしねぇ。カップルの男の方が、彼女の言うこともろくに聞かずにひたすらビデオカメラを撮ろうとしたりするのもウザくて、共感度ゼロだ。このカップル、自業自得じゃない？

　ちなみに、突然テンションが上がる（観てる方のテンションじゃなくて、スクリーンの中のテンション）ラストシーンでは客席から失笑が漏れてました。あぁ、よかった。僕もそこは半分笑って観てましたよ。