ポーラー・エクスプレス THE POLAR EXPRESS


directed by Robert Zemeckis

cast :  Tom Hanks  Nona Gaye
Eddie Deezen  Leslie Zemeckis
Peter Scolari
('04 12 18)



 期待していた 『スカイキャプテン』 の背景フルCGは、見づらくて目が痛くなるだけだった。『Mr.インクレディブル』 が面白かったのは、アニメだからこそできるキャラクターのデフォルメが抜群だったからだ(それだけじゃないけど)。だから、いくら本物の動きに近づいてもフルCGアニメに感動することはないだろうと思っていた。が、しかし。今度の監督はロバート・ゼメキスである。「原作の油絵のタッチを映画にも出したかった」 という彼は、CGを自然な形でストーリーに取り入れることにかけては実績があるし、クリスマスという夢のある素材はゼメキスにピッタリだ。だからこそわざわざ劇場に足を運んだワケだが、やっぱりフルCGの違和感の壁は越えられなかった。うーん。残念。

 ストーリーは、サンタの存在を信じなくなった少年が、突然家の前に現れた 「ポーラー・エクスプレス(北極号)」 に乗って北極まで旅をし、そこでサンタクロースに会い、夢を信じるようになるという単純明快な話。これ、実写でやったらもっと楽しかっただろうなぁ、と、観ながらどうしても思ってしまう。せっかく楽しいジェットコースターシーンや、北極の街の楽しさも、フルCGじゃやっぱり、生の動きや感情が伝わってこない。それどころか、下手にリアルになってる分、人物の不自然な動きが気になってしょうがないんである。ゼメキスほどの職人なら実写化もできたはずと思うと、また勿体ない。

 主人公の少年と彼の父親、ポーラー・エクスプレスの車掌、そして謎の屋根の上の男に、サンタクロースと、一人5役を演じるのはトム・ハンクスだ。これがしつこくって。微妙に声色を変えてるけど、どう聞いても全部ハンクスの声である(少年の声はわかりづらいけど)。おまけに、モーション・キャプチャーなる技術により、俳優の表情をCGにすることに成功した本作では、結局どの顔もトム・ハンクスな表情。もうやめて〜 いくら芸達者でも5人もいたらウザイのよ〜





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