アン・リー監督が、『グリーン・デスティニー』の前に『アイス・ストーム』のトビー・マグワイアと再び組んだ、南北戦争時代を生き抜いた少年たちの物語である。まぁ、なんだか僕、ストーリーそのものにはあんま共感しなかったんですけど、それよりなにより、トビマのロン毛である。『ラスベガスをやっつけろ』でもちょこっと披露していたが、いつものトビマ・ヘアスタイル(『カラー・オブ・ハート』『サイダーハウス・ルール』等々参照)に慣れてるので、やや戸惑いを隠せない僕であった。全然関係ないが、彼の長髪を見てたら、『コン・エアー』のケイジのまさかのロン毛が脳裏をよぎったりもした。
ポスターにはT・マグワイア、S・ウルリッチ、J・R・マイヤーズ、J・ライト、J・カヴィーゼルが並んで写っているのだが、この物語の軸は、南北戦争時代にゲリラ部隊となって北軍の町を襲った南軍の少年ジェイク(トビー・マグワイア)とジャック・ブル(スキート・ウルリッチ)の、言ってみれば個人的なストーリーである。いや、映画なんて個人的なストーリーに決まってるんだけど、例えば同じ南北戦争ものの『パトリオット』のような英雄の映画ではない。南北戦争そのものを描いたわけでもない。そして、その二人の友情に、ジャック・ブルのお相手スー・リー(ジュエル)や、黒人のダニエル(ジェフリー・ライト)が絡んでくる。これが映画デビューとなるシンガーのジュエルは、顔がローラ・リニー入ってるのは許すとして、存在感のある演技で、紅一点で映画を支えていた。
そして、やっぱりトビー君は上手かった。S・ウルリッチが、なかなか繊細な演技をしていて良いのだが、トビー君の個性と並ぶと、どうしてもごく普通に見えてしまう。それだけ、トビー君のニュアンスが他とは一線を画しているということなんだろうね。だけど、最近こういう役ばっかりだよねー。少し路線の変わった激しめの役をやったみたらどうだろう。そんなわけで、『スパイダーマン』はどーなるどーなる。不安と期待が入り混じります。
ところで、こういう役ばっかと言えばJ・R・マイヤーズだ。『タイタス』で、女道楽に溺れまくって、タイタスの娘の舌を切ったり手首を切り落としたりと、キレた王子役をホントにキレ気味に演じていたけど、今回も、殺人マシーンとなって町の人間を手当たり次第殺していくピットを、何だかやけにイキイキと演じてます。眼がね。イッちゃってるって感じ。ゾクッとくる視線を彼は出来るから、冷酷な役を演じると怖いくらいハマっちゃうのだ。ちなみに、この3人の年齢は、トビー君25才、ウルリッチ31才、サイコなマイヤーズは23歳(2001年2月某日現在)です。まぁ、これをどう思うかは個人の判断に委ねますが、多分高校生役でいけちゃうね、みんな。
|