ロボコップ ROBOCOP

 

directed by José Padilha

cast : Joel Kinnaman  Gary Oldman

Michael Keaton  Abbie Cornish

Jackie Earle Haley  Samuel L. Jackson

Jennifer Ehle  Jay Baruchel

Marianne Jean-Baptiste  Aimee Garcia

Michael K. Williams  John Paul Ruttan

('14 04 12)

 

 

 随所随所で予想外の展開が待っていて、どうなるんだろうという気にはなるストーリーではあるし、アクションシーンにそれなりの見応えはあるものの、それがなぜか映画のスリリングさにはつながらないという、難しい一本。そもそも主人公がロボコップになるまでが長くて退屈なのだが、それが描かれないと後半は面白くならなかったよなぁという納得もしてしまう。つまり、こういう映画が撮りたかったんだろうなぁというのが何となく見えてくる分、そこに行き着けてなくて物足りなく感じるパターン。社会的なメッセージを発しようとするジョゼ・パジーリャ監督と、ハリウッドの娯楽SF大作のリブートという組み合わせの妙は、残念ながら失敗に終わった感アリだ。

 

 最近流行りの北欧系イケメン俳優のヨエル・キナマンは、確かにカッコイイが、ロボコップのコスチュームに負けないほどの個性はなく、結果的に芸達者な脇役達に喰われまくっていた。なかでも、政治的に偏りまくったTVキャスターを演じるサミュエル・L・ジャクソンが強烈。スタジオで喋ってるシーンしかないのに、他の誰よりも脳裏に焼き付いてしまうこと間違いなし。主人公の奥さんを演じるアビー・コーニッシュもイイ味で、この役に綺麗なだけの若手女優を持ってこなかったあたりはナイス・チョイスだ。そういう点でも他のスター先行アクション映画と一線を画そうとしているだけに、惜しいんだよなぁ。