ロボッツ ROBOTS


directed by Chris Wedge

voice :  Ewan McGregor  Robin Williams
Halle Berry  Mel Brooks
Jim Broadbent  Greg Kinnear
Stanley Tucci  Diane Wiest
Amanda Bynes  Drew Carey
Harland Williams  Dan Hedaya
Jennifer Coolidge  Natasha Lyonne
Paul Giamatti  James Earl Jones
('05 08 07)


 「例えどんな部品で作られたとしても、誰にだって輝くチャンスはある」。正直、アニメでこんな直球のセリフを言われると観る気がなくなる。なんだか子供向けの分かりやすいストーリーに、分かりやすい盛り上がりと感動が待っている気がするからだ。今更そんな教訓じみたアニメは、もういいよ。

 という感じに全然期待してなかったからか、そこそこ楽しめた。ストーリー云々より、例えばロボット世界のジェットコースター並みの交通機関(危険過ぎ!)とか、ビッグウェルドの家のドミノの映像は面白いし、たまに登場する他の映画のパクリ、ではなくてパロディ(決して自然な流れのパロディとは言えないが)も、ニヤリとしなくもない。声優も結構豪華だしね。

 キャストの名前を見るまでユアン・マクレガーが声優やってることを忘れていて、奇しくも 『スター・ウォーズ EP3』 『アイランド』 に続いてユアン3連発になってしまった。やっぱりユアンは声だけじゃ物足りない。どうせなら表情と一緒に観たい。一方、声だけで喋ってる顔がいやでも頭に浮かんでくるのはロビン・ウィリアムス。『アラジン』 でもそうだったけど、この人の場合は声だけの方がしつこくなるから不思議だ。やっぱり体で演技する人なんだろうな。驚いちゃったのがジム・ブロードベントであえう。悪役社長ラチェットの母親(!)ロボットの声なのだ。このキャスティング、誰が思いついたんだろう。意外過ぎて笑える。知らないと絶対わからないし。

 他にもハル・ベリーやグレッグ・キニア、スタンリー・トゥッチにダイアン・ウィーストなどなど、声だけじゃなくて実物をスクリーンで観たくなるような声優が揃っているが、それだけで面白くなるとは限らないし(トビマが声優やってる 『キャッツ&ドッグス』 っていう出来の悪い犬猫映画もそうだった)、そもそもキャラクターの魅力に乏しいのが問題。ハル・ベリーの役なんて、いる意味全然ナシ。ワキキャラもやたら多い。それでいて脚本にヒネリもなければ、アニメでも実写並みのストーリーとキャラクターが楽しめる今となっては、どうしても‘古臭いアニメ’感がぬぐえないのだ。もう少し昔だったら素直に楽しめたのかもしれないんだけど、そう考えるとアニメの世界も厳しくなってきたんだなぁ。





back