「例えどんな部品で作られたとしても、誰にだって輝くチャンスはある」。正直、アニメでこんな直球のセリフを言われると観る気がなくなる。なんだか子供向けの分かりやすいストーリーに、分かりやすい盛り上がりと感動が待っている気がするからだ。今更そんな教訓じみたアニメは、もういいよ。
という感じに全然期待してなかったからか、そこそこ楽しめた。ストーリー云々より、例えばロボット世界のジェットコースター並みの交通機関(危険過ぎ!)とか、ビッグウェルドの家のドミノの映像は面白いし、たまに登場する他の映画のパクリ、ではなくてパロディ(決して自然な流れのパロディとは言えないが)も、ニヤリとしなくもない。声優も結構豪華だしね。
キャストの名前を見るまでユアン・マクレガーが声優やってることを忘れていて、奇しくも 『スター・ウォーズ EP3』 『アイランド』 に続いてユアン3連発になってしまった。やっぱりユアンは声だけじゃ物足りない。どうせなら表情と一緒に観たい。一方、声だけで喋ってる顔がいやでも頭に浮かんでくるのはロビン・ウィリアムス。『アラジン』 でもそうだったけど、この人の場合は声だけの方がしつこくなるから不思議だ。やっぱり体で演技する人なんだろうな。驚いちゃったのがジム・ブロードベントであえう。悪役社長ラチェットの母親(!)ロボットの声なのだ。このキャスティング、誰が思いついたんだろう。意外過ぎて笑える。知らないと絶対わからないし。
他にもハル・ベリーやグレッグ・キニア、スタンリー・トゥッチにダイアン・ウィーストなどなど、声だけじゃなくて実物をスクリーンで観たくなるような声優が揃っているが、それだけで面白くなるとは限らないし(トビマが声優やってる 『キャッツ&ドッグス』 っていう出来の悪い犬猫映画もそうだった)、そもそもキャラクターの魅力に乏しいのが問題。ハル・ベリーの役なんて、いる意味全然ナシ。ワキキャラもやたら多い。それでいて脚本にヒネリもなければ、アニメでも実写並みのストーリーとキャラクターが楽しめる今となっては、どうしても‘古臭いアニメ’感がぬぐえないのだ。もう少し昔だったら素直に楽しめたのかもしれないんだけど、そう考えるとアニメの世界も厳しくなってきたんだなぁ。
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