小説家を見つけたら FINDING FORRESTER


directed by Gus Van Sant

cast :  Sean Connery  Robert Brown
F. Murray Abraham  Anna Paquin
Busta Rhymes  April Grace
Michael Pitt  Michael Nouri
Richard Easton  Glenn Fitzgerald
Zana R. Copeland Jr.  Stepanie Berry
Fly Williams V
('01 03 20)



 いやー、観てから1ヶ月近く経ってんじゃん。まだやってんのかいな、この映画。だってねぇ。監督がガス・ヴァン・サント(『誘う女』『グッド・ウィル・ハンティング』)で、あの予告編で期待を高めておきながら、この中途半端な出来はないでしょう。

 一応どんな話かっていうと、NY(確かね)に住むバスケットならお任せな黒人の少年(ロバート・ブラウン)が、古びたアパートの1室に住んでいる謎の老人(ショーン・コネリー)を訪ねてみると、何と彼はピュリツツァー賞(確かね)を取って以来文壇から姿を消していた幻の小説家、ウィリアム・フォレスターだった!そして都合のいいことに、その黒人少年には驚くべき文才があり、老人は少年に文章を、そして少年は老人が失いかけていた人生の希望を与えていく。それに意地悪な文学教師(F・マーリー・エイブラハム)やらバスケのライバルやらが絡みつつ、主人公二人の交友を描いた映画、っていったら、これって『グッド・ウィル・ハンティング』と『セント・オブ・ウーマン』を足して2で割った映画ってことでしょ?おっと。物足りないからそれに0.5くらいかけといた方がいっかな。

 製作も務めるショーン・コネリーは、最初にこの脚本を見つけた時に、話が広がるように多くの人の手を借りて書き換えていったと言う。オリジナルがどんなだかわからないが、書き直して出来たのは、何かすごくウェルメイドで表面的なお話だった。二人の交友を綴る映画の大半は悪くない。でも、ガス・ヴァン・サントって、こんな風に最後をありきたりに盛り上げる人だったっけ?それに、老人の心の痛み、そして少年によってそれから立ち直る様を、セリフと話の展開でしか語れてない。話の流れはいいのに、勿体ないなぁ。

 かわいそうのはアンナ・パキン。主人公の少年が(多分)想いを寄せている私立学校の女の子の役なんだけど、まったくもって、いなくて平気。もちろんパキンの演技は自然体で上手い。サイドストーリーみたいな感じで出てくるんだけど、しかし、そのストーリーで少年が成長したか?もしくはパキンが変わったか?否。そんなの全然わかんないのである。主役二人はいい味だしてるのに、ガス・ヴァン・サント監督の演出不足がやけに全面に出てる映画なのでした。全然関係ないけど、オスカー俳優が3人も共演していた。それでこの出来か・・。





back