サウンド・オブ・サイレンス  DON'T SAY A WORD


directed by Gary Fleder

cast :  Michael Douglas  Brittany Murphy
Famke Janssen  Sean Bean
Jennifer Esposito  Oliver Platt
Skye McCole Bartusiak  Guy Torry
Shawn Doyle  Victor Argo
('02 06 05)



 「何なんだ、この邦題!」シリーズ2002年版の筆頭に挙げたい 『サウンド・オブ・サイレンス』。原題(「誰にも言うな」の意味)も中身と合ってないとは言え、どこがサイレンスじゃー。何がサウンドじゃー。

 マイケル・ダグラスとハリソン・フォードはよく似ている。どんな映画に出てても顔のパターンが全て一緒という点でそっくりだ。麻薬取締局の検事であろうと、ウォール街のやり手証券マンであろうと、美人容疑者と関係を持つ刑事だろうと、女上司にセクハラされていようと、一夜の関係の愛人に家庭を脅かされていようと、アメリカの大統領であろうと(!)、とにかくマイケル・ダグラスのいかつい顔は変化しないのである。なのになぜか役柄にすんなり入ってしまう。仮にもオスカー俳優だろうに、きっと彼はそれが許される数少ないスターなんでしょう。ハリソンもマイケルも大統領役をそのまんまで演じちゃうのは、そこらへんに勝因があるんだろうな(ただしタイプの全然違う大統領だけど)。

 今回のマイケルは娘を誘拐される精神科医だ。自分の行動のみならず、足を怪我して身動き取れない妻まで監視され、心を閉ざした患者の17歳の少女、エリザベスから6ケタの数字を聞き出さなければならない。見所はズバリ、エリザベスを演じるブリタニー・マーフィーだ、と言いたいところだが、評判の高い彼女の演技を堪能できるのも前半だけ。登場シーンは確かに目を奪われるが、あっという間にマイケルに心を開き、普通の少女になっていく。さすがマイケル、出来る精神科医は違います。優位に立ってた犯人も、自信タップリのマイケルを電話越しにすると、なぜか言うこと聞いちゃいます。ていうか、犯人達の動機が弱っちーよー。ショーン・ビーン、また悪者かよー。

 設定は面白そうなんだけどね。特に、マイケルの話と同時に進む女刑事のエピソードが絡み始めると、俄然アドレナリン大放出・・・・・するも持続せず、最後の謎解きだって、金田一少年の剣持警部レベル。予想通りに話が進んで、何だか楽しいです。ウソウソ。そんなサスペンスが面白いワケがないって。

 マイケルの妻を演じるファムケ・ヤンセンがいい。怪我した足なんてなんのその。「ベッドから動けない」設定も意味ナシ。もっと彼女の出番があればなー。少しは楽しめたかもしれないけど。ついでに言うと、マイケルの同僚役のオリバー・プラットの出番が後半皆無で哀れでした。





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