スパイダーウィックの謎

THE SPIDERWICK CHROCNICLES

 

directed by Mark Waters

cast : Freddie Highmore  David Strathairn

Mary-Louise Parker  Sarah Bolger

Nick Nolte  Joan Plowright

Seth Rogen  Martin Short

Andrew MacCarthy  Jordy Benattar

('08 04 29)

 

 

 いつまで作り続けるんだ、子供が主役のファンタジー映画。いい加減観る方も飽きてくることに気付いてほしいものだが、今回は最近のファンタジーものと違って話も敵もさほどスケールが大きくなく、いつもより好感の持てるファンタジー映画であった。子供っぽいストーリーであることは否めないものの、3部作の予定も(今のところ)ないし、世界を救うっていうよりも家族を救うというストーリーが、今となっては新鮮にすら感じます。

 

 ファンタジー映画の見所の一つはCGを駆使した想像上のクリーチャーたちの造形だが、今回のCGの主役は妖精だ。妖精というと優しくてカワイくて人間の味方と考えがちだが、この映画では世界を乗っ取ろうとする 「悪い」 妖精が登場し、たくさんの種類の妖精の生態が書き留められた一冊の本を巡って子供たちとバトルを繰り広げる。その姿はいかにも悪者っぽく、優しそうな妖精たちがカワイイ顔して攻撃してくるというギャップを期待していた僕としては、ちょっとがっかりだった。妖精というよりも小さい怪物みたいだ。その姿形じゃ、そりゃ人間も襲うでしょう。観てて楽しかったのは、花びらのような羽を持った妖精のスプライトたち(下の写真)。その羽を花びらのように擬態して隠れていた花から、ふんわりと飛んで姿を現す姿が綺麗で、こういうちょっとしたCGの使い方、好きだな。そして映画の中盤で登場する、子供たちを乗せてグリフィンが空を飛ぶシーンでは 『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』 を思い出した。その心躍る感は明らかにハリポの方に軍配が上がるのだが、こうやって比べると、バックビークがハリーを乗せて空高く舞うシーンの疾走感は本当によく出せてたなぁと改めて感心してしまった。CGがいくら進歩しても、それを観る人たちがストーリーの中で感動したり興奮できるものじゃないとつまらないというのがよく分かります。

 

 主人公のジャレッド、そして双子の弟のサイモンを演じるのは 「子供が主役のファンタジーと言えばこの子」 的な勢いで出まくっているフレディ・ハイモア君。次回作も 『アーサーとミニモイの不思議な国』 の続編ということで、そろそろ他のジャンルに移った方がいいんじゃないだろうかと心配してしまうが、今作では一人二役、それもほとんど出ずっぱりで、立派に役者として仕事をしているのがさすが。二人同時に映っているシーンも多くあり、撮影現場ではさぞ忙しかったことでしょう。相手役もドナルド・サザーランドにジョーン・プロウライト、ニック・ノルティ(何というチョイ役!)と名優が揃っていて、この子はいつも一流の監督や俳優と仕事できて役者としては幸せな子役時代だと思う。この世代の子役では既に一人勝ちですね。