スタンド・バイ・ミー STAND BY ME

 

directed by Rob Reiner

cast : Wil Wheaton  River Phoenix

Corey Feldman  Jerry O'Connell

Kiefer Sutherland  Casey Siemaszko

Bradley Gregg  John Cusack

Ricard Dreyfuss

('10 02 25)

 

 

 今年1年間、TOHOシネマズで開催されている 「午前十時の映画祭 何度見てもすごい50本」 という嬉しい企画で観てきた1本。映画を観ない人でも名前くらいは知っているであろう、大人になり始める年頃の少年同士の友情を描いた金字塔的作品である。

 

 なんてことを書いておきながら、これまで一度も観たことがなかったので、この機会に観ておきたかった映画の1つだったのだが、いやー、20年以上経っても語り継がれるだけあって、観て良かった。何が良かったって説明するのが難しい部類の良さなので、本当はグダグダと書かない方がいいのかもしれないけど、例えば、大人から見たらたいしたことない出来事、バカだなぁと思うような出来事も、少年たちにしてみれば冒険だっていう独特の世界が上手く出ていて、その中での彼らのちょっとした成長を感じられるし、4人の中でのそれぞれの役どころも定番ながら絶妙だし、何より主役の2人の友情に泣けてくる。クリス(リバー・フェニックス)もゴーディ(ウィル・ウィートン)も、強がっているけどそれぞれ悩みを抱えていて、劇中ではお互いに心情を吐露して泣くシーンがあるんだけど、その時、悩みを聞いてる方は適当なことを言って慰めたりするんじゃなくて、ただ肩を抱き寄せて思いっきり泣かせてあげる。もしくは、小説家の才能があるのに親が理解を示さないゴーディに、クリスが 「両親がおまえの才能を守ってやらないんだったら、俺が親になって守ってやりたい」 と言ってやる。 くぅー。これが恋人じゃなくて友情っていうのがいいじゃない。しかも、お互い親友と呼び合える12歳の少年同士の友情だ。こういう少年時代を送りたかったなぁ、こういう友情があったらよかったなぁって、柄にもなく純な気持ちになってしまった。

 

 映画を観始めた頃に買っていた某雑誌の影響で、『スタンド・バイ・ミー』 と言えば少年時代のリバー・フェニックスという、刷り込みに近い思い込みがあったのだが、リバーもいいけど、本当の主役であるゴーディ役を演じたウィル・ウィートンも良かった。ほとんどが普通に子供らしい喜怒哀楽の表情の中で、バカなことで盛り上がる他の3人を見る妙に冷めた視線とか、少し大人びた表情になる瞬間の凛々しさに近い雰囲気とか、この時期の少年の多感さが自然な感じで出てたと思う。若かりし頃のジョン・キュザーック(顔がツルンツルン!)やキーファー・サザーランド(今とあんまり変わらない)の姿が観られるのも楽しみの一つです。