ザ・センチネル 陰謀の星条旗 THE SENTINEL

 

directed by Clark Johnson

cast : Michael Douglas  Keifer Sutherland

Eva Longoria  Kim Basinger

Martin Donovan  David Rasche

Ritchie Coster  Raynor Scheine

('06 10 07)

 

 

 この映画が全米で公開された時、マイケル・ダグラス主演のサスペンスと聞いて、ちょっと驚いた。いくら 『24』 のキーファー・サザーランドと 『デスペラートな妻たち』 のエヴァ・ロンゴリアが出演してるからと言って、ここ5年以上ヒット作のないマイケル・ダグラスが主演では客があまり呼べないだろうに。それでもマイケル・ダグラスみたいなタイプの中年俳優に主役がふられるんだから、ハリウッドもまだまだ捨てたもんじゃないんだろうか。

 

 なーんて思って観てみたら、なんてことはない。マイケル・ダグラス以外に考えれないキャスティングでした。マイケル扮するシークレットサービスは、こともあろうにファースト・レディと不倫しちゃってる設定なのだ。「私はこの仕事(シークレットサービス)に20年も人生を捧げてきたんだ!」 とか部下に言っておきながら、ちゃっかり大統領の奥さんと不倫してる役なんかに信憑性を持たせられる俳優が、マイケル・ダグラスの他にいるだろうか。いやいない、なんて反語の解説つけなくても明らかですね。過去にはグレン・クロース、シャロン・ストーン、デミ・ムーアといった歴代つわもの女優を相手にエロティック・サスペンスの主役を張り、更には大統領役をやっても色恋沙汰で騒がれる彼ならやりかねないでしょう。しかも、ファーストレディを演じるのがキム・ベイシンガーだ。この2人なら、国のトップに立とうが何だろうが、ムラムラ来たら即ベッドインしちゃうこと間違いナシ! 実際、仮にもオスカー俳優の2人が一番気合い入ってるのは、他でもない、別荘で周りの目をしのびながらコトに至るまでのシーンだ。2人とも息づかいがリアル過ぎて、さすがセックスとセクシーで生き延びてきた2人だけあるなー、と妙に感心してしまった。なんか、ここだけ違う映画になってるもんね。もしもーし、2人とも不倫映画じゃないですよー

 

 それにしても、この設定にはびっくりした。さすがのジャック・バウアーも、まさかベテラン凄腕シークレットサービスがファーストレディと浮気してるとは思いつかなかったもの。本物のシークレットサービスから苦情来なかったのかな。一応、マイケル・ダグラスが大統領暗殺の容疑をかけられて、追われながら真相を究明しようとするというストーリーはあるのだが、そっちの方はどうでもよくて、犯人の目的とか真犯人が誰かとかは、かなり適当な描かれ方。結局こういう映画は勢いが全てで、いかに1時間半、緊迫感を失わずに最後まで突っ走れるかなんである。その点では結構頑張っている映画で、久々に観たサスペンス・アクション映画ということもあり、そこそこ楽しめた。まぁ、結局はDVDどころか、TV放映を待っても十分ってとこですけどね。